内容説明
90年代のカルト・バンドのもとヴォーカル、ホリスがまきこまれた驚くべき陰謀とは?『ニューロマンサー』に始まる電脳空間三部作でSF界に新たな潮流をもたらしたウィリアム・ギブスンが、ポップ・カルチャー、コンピュータ、政治、さまざまなガジェットを巧みにもりこんだ長篇。
著者等紹介
ギブスン,ウィリアム[ギブスン,ウィリアム][Gibson,William]
1948年、サウスカロライナ州コンウェイ生まれ。19歳のときに徴兵を拒否してカナダへ移住。ブリティッシュ・コロンビア大学で英語学を専攻した。大学在学中から小説を書きはじめ、1977年にデビュー、1984年に発表した長篇第一作『ニューロマンサー』は、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、フィリップ・K・ディック記念賞などを受賞、サイバーパンクSFの代表的作家となる
浅倉久志[アサクラヒサシ]
1930年生、1950年大阪外国語大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゅー
7
前作『パターン・レコグニション』と同様に現在が舞台。『ニューロマンサー』刊行からおよそ30年がたったが、私たちがギブスンに求めることは新たに30年後の未来を見せてもらうことに他ならない気がする。彼特有のジャーゴンも多少ネットワークに関する知識を持っていれば理解できるものとなってしまったし、ヴァーチャル・ライトなんて彼自身が20年前に書いていることだ。どう贔屓目に見ても、かつてのギブスン作品を読む楽しさからは遠のいてしまっている。あのスピード感と、スリリングな展開をもう彼に求めることは出来ないのだろうか。2013/03/19
takao
2
ふむ2024/11/27
roughfractus02
2
ミニマリズムは最小のパターンをずらしながら幽霊(spook)を生み出していくようだ。84章に細分化され、3組の視点が各々配された章を読むと、互いを知ろうとする彼らの意志にもかかわらず、相手の素性は不明か、または存在するのかもわからなくなってくる。その中で、過去の作品に登場した語は再定義され、さらに新たなツールが加えられると、読者の記憶の支えは脆弱になってしまう。巨大権力があって対決する物語と要約すると、曖昧模糊とした残滓のようなものが拒絶する。拒絶するのはおそらく、9.11後の世界に漂う幽霊かもしれない。2017/03/29
Ich_co
2
iPhone、エアタグ、臨場感アート…どこへ行き着くかと思ったら、最後は意外と泥臭い作戦へ。他の作品も読んでみないと。2010/02/12
rinichiro
2
「臨場感アート」、東京オリンピック招致活動の人らが接待に使ってましたね。