内容説明
毎年恒例の大会(カンファレンス)に参加するため、20年ぶりにロンドンを訪れたトムとキャスの夫妻。ロンドン地下鉄道をこよなく愛するトムは、旧友との再会を楽しみに地下鉄で大会会場へと向かうが、駅の構内で突然の爆風に襲われる。爆弾テロか毒ガスかと瞬間的に思うが、風は一瞬にしてやんでしまう。どうやら周囲の誰もこの風を感じなかったらしい。ようやく到着した会場では、病気や離婚といった話題ばかりを友人たちが口にしているのを耳にする。そして、ホテルに帰るため、地下鉄に戻ったトムは、ふたたび暴力的な“風”に見舞われるのだった。20年前と明らかになにかが変わってしまったロンドンで、トムは“風”の謎を追って地下鉄を巡る…。やがて誰にでも訪れる人生のその時を、迫真の筆致で描いた表題作(ヒューゴー賞受賞)。ベヴァリーヒルズのセレブを相手に、いんちきチャネリングで荒稼ぎする女霊媒師に、ある人物の霊が憑依する。その人物とは、オカルト詐欺やニセ科学を批判しつづけた実在のジャーナリスト、H・L・メンケンその人だった…。サイキック商売を題材に描く傑作ユーモア中篇「インサイダー疑惑」(ヒューゴー賞受賞)。クリスマスが近づくなか、街では少しだけおかしなこと(みんなが動く歩道の片側をきちんと空けて立つ、帽子をかぶる人が急に増えた)が起こり始める…。侵略SFコメディ「ニュースレター」(ローカス賞受賞)。ユーモア、コメディからシリアス短篇まで、SF界を代表する小説の達人の傑作5篇を厳選。物語を読む愉しみにあふれた日本オリジナル作品集。
著者等紹介
ウィリス,コニー[ウィリス,コニー][Willis,Connie]
1945年コロラド州デンヴァー生まれ。1967年、北コロラド大学を卒業したのち、教師をつとめるかたわら小説を発表しはじめる。短篇「見張り」(1982)でヒューゴー/ネビュラ両賞を受賞。1987年に発表した初の単独長篇『リンカーンの夢』(ハヤカワ文庫SF)でジョン・W・キャンベル記念賞を受賞した。1992年発表の『ドゥームズデイ・ブック』(同文庫)では、暗黒の中世への時間旅行を描き、ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞のトリプル・クラウンを獲得、SF界の女王の地位を確固たるものとした。また、2001年に刊行されたローカス賞受賞作『航路』は、日本でも大きな話題となり、「ベストSF2002」第1位に輝いた。さらに、『ドゥームズデイ・ブック』の姉妹篇『犬は勘定に入れません』(1998/早川書房・海外SFノヴェルズ)でも、ヒューゴー/ローカス両賞を受賞、日本では、SF界のみならずミステリ/海外文学界からも高い評価を受けた
大森望[オオモリノゾミ]
1961年生、京都大学文学部卒、翻訳家・書評価(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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