内容説明
１６歳の少女と未知のエイリアン、宇宙の溝“リフト”を舞台に描かれる二人の友情と勇気の物語。時代を超えて語り継がれる名作改訳版。
著者等紹介
ティプトリー，ジュニア，ジェイムズ［ティプトリー，ジュニア，ジェイムズ］［Ｔｉｐｔｒｅｅ，Ｊｒ．，Ｊａｍｅｓ］
１９１５年アメリカ・シカゴ生まれ。作家。本名アリス・Ｂ・シェルドン。１９６８年のデビューから男性名義のペンネームを使用し、１９７６年に女性であることが判明するまで、覆面作家として数々の作品を発表した。１９８７年没
浅倉久志［アサクラヒサシ］
１９３０年生、１９５０年大阪外国語大学卒、英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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sin
98
ＳＦは読者を選ぶのか？若い世代にお薦めしたがいい反応は帰ってこなかった。自身も再読しはじめて違和感を感じた、異星人？ありがちな星間航法の理論？曾て僕の心を掴み取った部分が見えてこない。読み進んでいくと主人公が動き出した…彼女は懸命に自分の置かれた状況に対処していく、そのとき戻って来た！当時センスオブワンダーといわれていたＳＦの時代に在って、一人クールなそのスタイルを貫き通した作者の本領が、そうこの物語は異星人とか星間航法によって読者におもねる物語ではなく主人公の少女の潔い振る舞いを語る物語であったのだと！2014/01/10
harass
72
同名短編集からこの作品のみを改訳し収録した本。重要なSF作家と言われ、十数年前にいくつか作品を読んだがピンと来なかった。この本は長い間積読していてようやく崩す。この作家、女性であったのに男性名で執筆していて、長い間男性だと思われていた、小説よりも小説的な人生を歩んだ作家として認識していた。有名で魅力的な題名のこの中編小説(1986)は、１５歳の少女の一人称語りのファーストコンタクトもの。結末がこういうものなのに驚く。作家自身の人生に符号しているように思え、慄いてしまった。名作。2017/08/22
七色一味
58
読破。1987年出版の同名の本から、表題作だけを抜き出し改訳、1冊にした作品です。いわゆるファーストコンタクトもの。SFを苦手な方もいるでしょうが、これは是非読んでほしい作品。自分が選んだ選択肢、そこにあるのは失意でも悲観でもなく、それが「たったひとつの冴えたやりかた」という達観。武士道に通じる潔さがある。2013/09/29
里愛乍
49
タイトルが秀逸。ここまでお洒落だと嬉しくなってしまいます。賢くてキュートな少女コーティーと小さなエイリアンとの友情と冒険のお話…なんですけど、SF設定だけじゃなくてミステリー要素もあり、ホラー系でもあり、感動的結末といい、予想以上にかなりの良作だと感じました。生憎図書館にはこの改訳版しかなかったんですが、本来なら三つの中編で一冊の本だったんですね。さっそく文庫本を注文したのは言うまでもありません。読めるのが楽しみです。2015/11/26
zirou1984
41
優しいSF。本書はその一言に尽きるのかもしれない。おませでかしこい、15才の女の子コーディ―の冒険譚が中心となる本作はジュブナイル小説的な魅力に溢れており、ファーストコンタクトものでありながら女の子同士の友情物語にも読めてくる。改訳により対象となる読書により届く文体になっているのだが、元は3作の中編であるうちの1編のみを取り上げたため最初と最後の部分に繋がりが無くなってしまってるのが残念な点か。あとそもそもとしてたったひとりの冴えないおっさんは本書の読者対象じゃないのかもしれないという思いが2015/11/08
