銀むつクライシス―「カネを生む魚」の乱獲と壊れゆく海

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  • サイズ B6判/ページ数 326p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152089137
  • NDC分類 664.34
  • Cコード C0098

内容説明

2003年8月、南極大陸にほど近いインド洋南西部のハード島近海で、オーストラリアの巡視船がマゼランアイナメ密漁船を発見した。逃げる密漁船と、それを追う巡視船。南氷洋を越え、南アフリカ沖大西洋まで約4000海里20日間、この一大追跡劇はいったいどこへ向かうのか。日本の食卓でも銀むつやメロの名前で知られるマゼランアイナメは、数十年前まではだれにも見向きもされず、南の海でひっそりと暮らしていた。それが、学術的に不正確でも魅力的な名前(「チリ・シーバス」)とともにアメリカ市場に持ち込まれ、様相は一変する。流行の食材になったこの魚は、絶滅が危惧されるほど乱獲で激減したのだ。だが、いったい何が、なぜ、そこまで追い込んだのか。飽くなき食への欲望がわれわれにもたらすものをスリルとサスペンスたっぷりに描きあげた、衝撃のノンフィクション。

目次

南インド洋
バルパライソ(チリ)
南インド洋
ロサンゼルス
南インド洋
ロサンゼルス
南極海
リベイラ(スペイン)
南極海
ニューヨーク〔ほか〕

著者等紹介

ネクト,G.ブルース[ネクト,G.ブルース][Knecht,G.Bruce]
ニューヨークを中心に活躍するウォールストリート・ジャーナルの記者で作家。アトランティック・マンスリー、ニューヨーク・タイムズ・マガジンなどにも寄稿する。著作に1998年のシドニー・ホバート・ヨットレースの悲劇を描いたThe Proving Groundがあるように、熱心なヨット愛好家でもあり、2005年に自ら参加した大西洋横断ヨットレースでは、大会記録を100年ぶりに更新した

杉浦茂樹[スギウラシゲキ]
1959年、東京都生まれ。翻訳家。慶應義塾大学文学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

泰然

2
南極周辺の深海に棲む大型の魚、マゼランアイナメ。元々は誰も気を留めない存在だったが、70年代に米国のマーケッターの発見から、商品名「チリ・シーバス」(日本では銀むつ・メロ)として人気者の食用魚へ変化を遂げる。しかし、その先に待っていたのは乱獲による絶滅寸前の危機だった。ある日、インド洋南西部でオーストラリアの巡視船が密漁船を発見し、南氷洋を越えて、南アフリカ沖へと続く追跡が始まった。市場のエゴで破壊される生態系と、人気食材に化けた舞台裏、緊迫の追跡戦、国際司法戦。まるでドキュメンタリー映画のような臨場感。

ごまにゃん

1
スーパーで見かけて、どんな魚なのかと調べている時に"「カネを生む魚」の乱獲と壊れゆく海"というセンセーショナルなサブタイトルに惹かれて読んでみました。 密漁船を追う話と、商社マンがこのマイナーだった魚を華々しく市場に売り込む話が交互に挿入されていきます。 ”銀むつが”というよりも、水産資源を取り巻く利権そのもの全てに当てはまる話に思えました。文章は翻訳の関係か少し硬い印象だったものの、最後まで読みやすく纏められていました。2018/12/27

tsuneki526

1
獲れる限り捕獲する、というやり方は陸上でも海でも同じ。多くの生物が絶滅していったにもかかわらず相変わらず同じことを繰り返す愚が説かれる。今のままではヤバイかも、と思いながら環境に悪影響を及ぼすあれこれがやめられない私たちこそ諸悪の根源かも。2012/03/08

ken7ito

1
人間の性を感じる。2008/12/16

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