リトビネンコ暗殺

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  • サイズ B6判/ページ数 468p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152088321
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0031

内容説明

2006年11月23日、元FSB(ロシア連邦保安庁)中佐アレクサンドル・リトビネンコがロンドンで変死した。彼の体内からは、猛毒の放射性物質ポロニウム210が大量に検出され、ロンドン警視庁は毒殺が企てられたものとして捜査を進めていく。そして2007年5月22日、イギリスの検察当局は元FSB将校アンドレイ・ルゴボイを殺人罪で起訴すると発表した。世界の耳目を集めるこの暗殺事件はなぜ起きたのか?リトビネンコは、FSBによるオリガルヒ(新興財閥)のボリス・ベレゾフスキー暗殺計画を内部告発して当局の反発を招き、トルコからイギリスへ亡命、ロンドンでロシア政府に対する反体制活動を続けてきた。本書はそのリトビネンコの生涯を克明に綴ったもので、暗殺の背景にあるものとして、リトビネンコ、ベレゾフスキーを中心とする反体制派と、FSB、その背後にいる大統領プーチンとの対立の構図を浮かび上がらせていく。そして泥沼のチェチェン紛争に絡んだ謀略、相次ぐジャーナリスト、政治家の暗殺も白日のもとに晒す。リトビネンコの友人でイギリスへの亡命を手助けしたアレックス・ゴールドファーブと未亡人マリーナが、世界を震撼させた暗殺事件の真相を描く話題のノンフィクション。

目次

第1部 反徒が生まれるまで(亡命;変わり者の少佐)
第2部 クレムリンをめぐる闘争(略奪資本家;ダボス同盟)
第3部 戦争を告げる太鼓(反乱者;策謀者;告発者)
第4部 大統領が生まれるまで(ロシア流)(忠実なる者;勝者;逃亡者)
第5部 帰ってきたKGB(亡命者;探偵;追及;小さな核爆弾;鏡の間)

著者等紹介

ゴールドファーブ,アレックス[ゴールドファーブ,アレックス][Goldfarb,Alex]
1970年代にロシアから脱出した反体制科学者で、コロンビア大学の教鞭をとったこともある。ソ連崩壊後、ジョージ・ソロスのもとで働き、慈善事業に携わった。アレクサンドル・リトビネンコとは1990年代に親しくなり、リトビネンコとその家族がイギリスへ亡命するのを助けた。リトビネンコの回想録の執筆に力を貸し、FSBの不正を暴くことに協力してもいる。現在は、人権擁護活動を目的とするベレゾフスキーの財団の理事になっている

リトビネンコ,マリーナ[リトビネンコ,マリーナ][Litvinenko,Marina]
1993年、31歳の誕生パーティでFSBの若い将校だったリトビネンコと初めて出会い、結婚した。2000年に家族でイギリスに亡命。リトビネンコ亡きあとも、12歳の息子とともにロンドンに住んでいる

加賀山卓朗[カガヤマタクロウ]
1962年生まれ。1985年東京大学法学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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