内容説明
運河が縦横に流れ、輝ける硝子の塔が街を見下ろす美しい水の都カモール。この都の秩序は、表の政治を司るニコヴァンテ公爵と、裏社会を統べるカパ・バルサヴィが結んだ秘密の不可侵協定によって保たれている。だが、ちかごろ秘密協定にそむいて貴族を狙う詐欺師集団が暗躍しているという噂があった。その詐欺師集団の正体こそ、天才ロック・ラモーラ率いる悪党紳士団であった。生まれながらにして巧みに人を欺き、変幻自在に姿をいつわり、嘘を真実に見せかけてしまう才能に長けたロックは、力自慢のジャン、一卵性双生児のカーロとガルド、ちびの少年バグら仲間とともに、貴族を相手に大規模なコン・ゲームを仕掛けては莫大な財産を手に入れていた。そんなとき、カパ・バルサヴィに仕える盗賊団の頭たちが、灰色王と名乗る男に次々と殺される事件が起きる。姿を見せずに殺戮を繰り返す灰色王の目的はなんなのか…そしてついに、その魔手がロックの身にも迫る！著者の華麗なるデビュー作。
著者等紹介
リンチ，スコット［リンチ，スコット］［Ｌｙｎｃｈ，Ｓｃｏｔｔ］
１９７８年、ミネソタ州セントポール生まれ。２００６年、『ロック・ラモーラの優雅なたくらみ』でデビュー
原島文世［ハラシマフミヨ］
早稲田大学第一文学部卒、英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Misty
2
原題の方がしっくりくると思った。量が多いけど、児童文学っぽい流れで読みやすい。題材と舞台が俺好みすぎる2011/07/13
inugamix
1
ケチなこそ泥の仮面をつけた貴族相手の大詐欺師、内に秘めた友愛と譲れない正義のチラ見せ、よい。聡いが痩せっぽちで腕っ節はからきしなところがまたよい。時を隔てた重層的な話運び、軽みの強い前半はちょっとわずらわしかったが、後半の怒涛の展開で映える。知的な悪漢でロックといえばどうしても間久部緑郎を思い浮かべずにはいられない。見かけ以上に文字量多いので、たーっぷり読めます。2014/12/04
BT
1
シリーズものなのに1巻だけでもきれいに終わってる。序盤は読みづらいけど終盤は流れるように読めました。サベーサは？サベーサはいつ出てくるの！？2010/03/15
イツ＠ヱヒモセス
1
たくらみ、というよりたくらまれてます。優雅と言うより殲滅戦になってます。ペテンの部分とか成長過程とか楽しいんだけど、ね。2009/02/14
フタ
0
これがデビュー作ときいてびっくりするのと同時にデビュー作らしい詰め込みっぷりもわかる( ´∀｀)ハードボイルド児童文学の雰囲気、街の空気、コンゲームの楽しさ、分厚いページ数をすっかり楽しめました。またロックのコンゲーム見たいなあ2015/12/17
