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海外SFノヴェルズ
擬態―カムフラージュ

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152088185
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

2019年、海洋工学の専門家ラッセルは、海軍提督ハリバートンから奇妙な仕事を依頼された。太平洋の深海で発見された謎の人工物を、軍や政府と関わることなく密かに調査したいというのだ。ラッセルは百万年以上も海底にあったと推測される卵形の物体を、サモア島に引き上げることに成功する。だがそれは、これまでに発見されたどんな物質よりも重い謎の金属でできており、いかなるドリルやレーザーを使っても、構造を調べるどころか、傷ひとつつけることができなかった…。やがて、謎の人工物発見のニュースは、ある人物をサモア島へと引き寄せることになった―どんなものにも自在にその姿を変えることができる異星人「変わり子」を。百万年前、ただひとりM22星団から地球へとやってきた「変わり子」は、これまでさまざまな海洋生物に変身して過ごしてきたが、1931年、はじめて陸にあがり、人間として生活を始めていたのだ。この物体が、曖昧になっている記憶を呼び覚まし、自らの出自を知る手がかりになると直感した「変わり子」は、若い女性に変身し、ラッセルの調査チームに入りこむ。だが地球にはもう一体、異星生命体―「カメレオン」が存在した。「彼」もまた、この人工物を自らのものにすべく…。2006年ネビュラ賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞に輝く、ノンストップSFアドヴェンチャー。

著者等紹介

ホールドマン,ジョー[ホールドマン,ジョー][Haldeman,Joe]
ジョー・ウィリアム・ホールドマンは、1943年6月9日、オクラホマ州オクラホマ・シティに生まれる。メリーランド大学で物理学と天文学を専攻。1969年、短篇“Out of Phase”が「ギャラクシイ」誌に掲載されSF作家デビューを果たす。1974年、ベトナム戦争従軍中の体験をもとにした処女長篇『終りなき戦い』を発表。SF界に強烈な衝撃を与え、ヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞した。その後、中篇「ヘミングウェイごっこ」でネビュラ賞を受賞、また同じく未来戦争を描いた『終わりなき平和』ではヒューゴー賞、ネビュラ賞、ジョン・W・キャンベル記念賞の三賞に輝いた。『擬態―カムフラージュ』も、2006年ネビュラ賞とジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞している

金子司[カネコツカサ]
1969年生、1992年明治大学商学部商学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白のヒメ

45
エイリアンものはあまり読んだ事が無いのだけれど、たまたま図書館で手に取ったので。突拍子もないのかと思っていたら、読み進めれば読み進めるほどにリアリティが湧いてくる。不死のエイリアンが、地球上の色々な生物になりきって、色んな経験を積み、地球という星を学んでいくのだけれど、実際にこうした未確認の生物がいないと言い切る方が難しい気がしてきてならなかった。数々の賞を受賞しているSF作家さんらしい。素晴らしいエンディングに非常に納得。2015/05/01

ニミッツクラス

22
07年の税抜1900円の初版を読んだ。早川の海外SFノヴェルズで文庫化は無い。本叢書はカバーの統一体裁を変えたようで、本書は表から裏表紙へと一幅の描画となる。人類史を目の当たりにしてきた2体の不死の可変種生物(互いの存在を知らない)の思惑は、太平洋深海から恒星船らしき物体の回収の報道に際して物語の一点に収束し始める。あのホールドマンだもの、読者は構える必要は全く無い。高橋氏の解説によるSF界の背景と著者像がすごく判り易い。でも忖度で書けない事が一つ…出版社バラバラは作者の知名度向上にならない。★★★★☆☆2020/01/29

羊山羊

13
太平洋の深海で謎のやたらと重い物体が発見された。サモア島に集まったチームは、その物体の謎を追う。一方、遥か昔から地球に住み込み、人間や生物に擬態して生きている異星人(変わり子)。そしてもう一人の凶暴な異星人カメレオン。彼らは謎の物体の正体を追うべく、サモア島に集う。という壮大な一冊。変わり子がとてもほのぼのと経験を積み、人生?を謳歌していて暖かい。一方の調査チームの緊迫ぶりもなかなか。変わり子パートはSFロードノベルとして、調査チームパートはスリリングなSFとして。良作でした。2018/07/07

Cinejazz

11
数世紀もの間ホオジロザメやシャチの姿で大洋を泳いでいた異星人(?)が、1932年に人間の姿に<チェンジリング>したことに始まる壮大なSF怪奇小説です。一方、人類の戦争の歴史と共に何千年も生き続けてきた悪者異星人<カメレオン>が登場し、太平洋の深海に百万年以上も海底にあったと推測される謎の物体をめぐってのサスペンスフルな物語の展開には、目が離せない面白さを秘めています。どんな人間にも変身できることから、DNA鑑定による世界の首脳たちの存在の真偽が論議され、世界中が騒然となるのが2021年であります。 2020/08/30

CCC

10
解説のスティーブン・キング絶賛には笑ってしまったが、それはさておき。何かありそうで何もなかったなあ、という読後感になってしまった。読んでて先が気になる話ではあった。〈変わり子〉が物語の牽引役をしっかりと果たしていた。ただこの本にセンス・オブ・ワンダーありますか? と聞かれると……。2018/08/12

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