内容説明
2019年、海洋工学の専門家ラッセルは、海軍提督ハリバートンから奇妙な仕事を依頼された。太平洋の深海で発見された謎の人工物を、軍や政府と関わることなく密かに調査したいというのだ。ラッセルは百万年以上も海底にあったと推測される卵形の物体を、サモア島に引き上げることに成功する。だがそれは、これまでに発見されたどんな物質よりも重い謎の金属でできており、いかなるドリルやレーザーを使っても、構造を調べるどころか、傷ひとつつけることができなかった…。やがて、謎の人工物発見のニュースは、ある人物をサモア島へと引き寄せることになった―どんなものにも自在にその姿を変えることができる異星人「変わり子」を。百万年前、ただひとりM22星団から地球へとやってきた「変わり子」は、これまでさまざまな海洋生物に変身して過ごしてきたが、1931年、はじめて陸にあがり、人間として生活を始めていたのだ。この物体が、曖昧になっている記憶を呼び覚まし、自らの出自を知る手がかりになると直感した「変わり子」は、若い女性に変身し、ラッセルの調査チームに入りこむ。だが地球にはもう一体、異星生命体―「カメレオン」が存在した。「彼」もまた、この人工物を自らのものにすべく…。2006年ネビュラ賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞に輝く、ノンストップSFアドヴェンチャー。
著者等紹介
ホールドマン,ジョー[ホールドマン,ジョー][Haldeman,Joe]
ジョー・ウィリアム・ホールドマンは、1943年6月9日、オクラホマ州オクラホマ・シティに生まれる。メリーランド大学で物理学と天文学を専攻。1969年、短篇“Out of Phase”が「ギャラクシイ」誌に掲載されSF作家デビューを果たす。1974年、ベトナム戦争従軍中の体験をもとにした処女長篇『終りなき戦い』を発表。SF界に強烈な衝撃を与え、ヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞した。その後、中篇「ヘミングウェイごっこ」でネビュラ賞を受賞、また同じく未来戦争を描いた『終わりなき平和』ではヒューゴー賞、ネビュラ賞、ジョン・W・キャンベル記念賞の三賞に輝いた。『擬態―カムフラージュ』も、2006年ネビュラ賞とジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞している
金子司[カネコツカサ]
1969年生、1992年明治大学商学部商学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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