著者等紹介
ラッセル,レイ[ラッセル,レイ][Russell,Ray]
1924‐1999。イリノイ州シカゴ生まれ。「プレイボーイ」誌の編集者を長くつとめた。1950年代からは、SFやホラー色の強い短篇作品を「ウィアード・テールズ」や「アメージング・ストーリーズ」などに発表
永井淳[ナガイジュン]
1935‐。埼玉大学文理学部英文科卒業。英米文学翻訳家。アーサー・ヘイリー、ジェフリー・アーチャーらの作品などを翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまご
16
ミステリあり,SFあり,いろんな設定で最後に「ああ…」と思わせる作品多し.嫌なヤツが,嫌な風にオチにつながってくところがある意味安心感で,なんとなく作者に「全うな人」を感じます. しかしサルドニクス,「嘲笑う」笑顔とはちょっと違うような印象もありますが…2016/06/27
藤月はな(灯れ松明の火)
14
人間性に対するペシミスト的考えと悪魔などのモチーフが横行する魔界カーニバル。最後で急展開になるのが些か、残念です。「サルドニクス」のじわじわと追い詰めるサルドニクスの人間の温かみのない不気味さと末路の描写が素晴らしいです。「檻」は美貌を鼻にかけ、男を屈服させることを愉悦とする傲慢な夫人にムカつきますがラストでにんまり(黒笑)「愉しみの館」はまさかの真相に目を引ん剝くことになり、「レアティーズの剣」は予想通り。「おやじの家」の感想は「財産を貰えるとしてもこんな家に住むのは御免だ!」としか出ません。2012/10/25
**くま**
10
スティーヴン・キングのおすすめ本。短編集。これ、結構好きです。面白かった。ゴシックロマンありSFありミステリ風ありとバラエティ豊かで飽きません。ただ私の脳味噌の問題で十分理解できないものがいくつかありましたが(泣)。いちばん好きだったのはSFなのになぜかレトロなエラリイ・クイーン風雰囲気が漂う「おやじの家」。舞台は未来の火星、亡くなった大会社の社長の息子はまったく売れない小説家。父親の遺産を受け取るため住むことを義務付けられた家で、支配欲の強い父親が生前記録した3D映像&音声に毎日うるさくつきまとわれる。2014/10/03
hirayama46
6
はじめてのレイ・ラッセル。解説にもあるようにアイデア主導の作品が多めですが、これだけ短く切れ味のある物語たちをひとネタで仕立てているのは見事ですし、見せ方としても一辺倒なところがないので、飽きずに楽しめる短編集でした。冒頭の長めの短編である「サルドニクス」だけはちょっと毛色が違っていて、日本でいえば戦前の怪奇小説っぽいところがあって良かったです。2019/12/14
AR読書記録
4
解説の影響もあるけど、確かに小器用だなという印象ではあり、つまり次々いろんな趣向の物語が飛び出してきて面白くはあるけれど、この人ならではの特別感みたいなものはいまいち感じづらいかも。とはいえ、演劇系が絡むところには経歴を活かしたものが含まれていると思うし、「遺言」のような、劇中人のモノローグ的なものは、あるならもっといろいろ読んでみたい気はした。「モンタージュ」の四方八方皮肉が効きまくりなところもとても好きだけれど、存外「愉しみの館」なんか、最後ある意味とても馬鹿馬鹿しく愉しませてもらったかも。2014/08/06