著者等紹介
エリン,スタンリイ[エリン,スタンリイ][Ellin,Stanley]
1916‐1986。ニューヨーク生まれ。大学卒業後にさまざまな職業を経験しながらその傍ら小説の執筆をし、1947年に《EQMM》誌の第3回短篇コンテストで特別賞を獲得した「特別料理」で作家デビュー。その後も『EQMM』誌の年次コンテストで入賞を続け1955年と1957年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞の最優秀短篇賞を受賞するなど短篇の名手として知られている。一方、1959年には『第八の地獄』でMWA賞最優秀長篇賞も獲得、1981年には同巨匠賞も受賞した
田中融二[タナカユウジ]
1926‐1998。東京生まれ。東京商科大学卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panzer Leader
62
「奇妙な味海外読書会’20」たしか初めて読んだはずなのにどこかで読んだ事があるような気がするのは後世に同工異曲の作品が多いせいだろうか。オチはほぼわかるんだけど、主人公達そっち方向に行っちゃあいけないよーと思いつつも、行ってしまう容赦なさが堪らない。肝心なところを書かないでおいて読者にその隙間を埋めさせる手法はあざといなあ。(誉め言葉)53冊目/「海外ミステリーマストリード100」2020/05/04
みや
33
ミステリ短編10作収録。序文はエラリー・クイーンによる大絶賛。米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」で表題作の要旨を知っており、期待した衝撃を得られなかったのは残念。奇想天外な物語は前情報が一切無い方が良いが、そうなると知る機会を失うから難しい。どの作品も新鮮味は薄く、だからこそ70年前に書かれた短編たちが後世へ多大な影響を与えたと分かる。衝撃は少ないものの、好きな雰囲気や題材ばかりで、結末は予想通りなのにゾクッとさせてくれる感覚が絶妙だった。人の心が綺麗に狂っていく「好敵手」、最高な後味の「君にそっくり」が好き。2018/11/19
藤月はな(灯れ松明の火)
31
「儚い羊たちの祝宴」のアミルスタン羊の元ネタである表題作。「儚い羊~」が構成上からもこの作品のオマージュであったことと鴨のチョコレートがけなど不可解な料理がその意味の恐怖感を増大させます。明らかに逆境かと思いきやの「お先棒担ぎ」、奇矯な人物と真実にぞっとする「クリスマス・イヴの凶事」、白の言うことに思わず、頷いてしまった「好敵手」、暗喩が嫌な「君にそっくり」、アンリ・バリュべスの「地獄」の主人公をロマンチックにしたような男を嗤いたくなる「壁をへだてた目撃者」夫の末路に喝采を送りたくなる「専用列車」が好き。2012/10/12
みっぴー
30
妙味…ですね。全ての話に強烈なオチが用意されており、どれだけ構えてても驚かされてしまい、やられた感百パーセント。一話あたり約三十ページの中に濃密な世界が凝縮されていて、次の話に行くまで頭を冷却する時間が必要なほどです。中にはオチのレベルが高すぎて、どういうこと??と、一度読んだだけでは理解出来ない話も数話ありました。高級な料理を食べる時って、作る側よる食べる側が試されてるんだよなぁ…と、しみじみ感じた次第です。2015/10/15
こら
23
思い出し感想!奇妙な味の作品集。やっぱり「特別料理」がNo.1☆戦争でジャングルをさ迷ったお祖父ちゃんも、アミルスタン羊の味は格別と言ってました!
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