著者等紹介
コリア,ジョン[コリア,ジョン][Collier,John]
1901‐1980。ロンドン生まれ。独学で文学を学び、20歳で詩集を自費出版する。その後、雑誌編集に携わり、1930年には処女小説『モンキーワイフ』を発表。第二次大戦後はアメリカへ移住した。1951年の短篇集『夜と幻想』でアメリカ探偵作家クラブ賞を受賞
村上啓夫[ムラカミヒロオ]
1899‐1969。東京外国語大学英米語科卒業。ダシール・ハメット、アガサ・クリスティー、ヘンリイ・スレッサーらの作品を翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅はこべ
87
夫婦のすれ違い、結婚生活の断絶を描いた作品が多い。愛に対する不信。「保険のかけ過ぎ」なんか典型かな。最も愛に溢れたのは人間ではなくて、ノミのギャヴィン君だった。2017/03/19
紫羊
23
猫やノミが主人公の作品もあって楽しめた。個人的な興味から、「カード占い」が印象に残った。2017/04/30
藤月はな(灯れ松明の火)
22
作者の夫婦に対する冷ややかな目線に父母が「家族」になってしまったからこそ、続いた諍いと子供への互いへの告げ口合いでちょっぴり、夫婦に不信になってしまった者としては共感はできないけど、同感するものはありました。なぜか荻原氏の「押入れのちよ」収録作品(作品名を忘れましたがお話が夫婦が互いを毒殺しようとする話です)を思い出しました。「ささやかな記念品」(登場するあるモノが好きなので)「カード占い」、「保険の掛けすぎ」、「死の天使」と異色の「マドモアゼル・キキ」、「ああ、大学」がお気に入りです。2012/11/09
ハルバル
12
ちょっと小粋なアメリカンジョークの短篇版みたいな感じ。ブラックジョーク。やっぱり古い話だからかオチが途中ですぐ読めちゃうのが惜しいところ。でも後味悪い苦味がある話は好きだな。特に「ささやかな記念品」の、地味ながら背筋が寒くなるサイコっぽさと、最後にこんなひでぇ話を持ってくるとは!と言いたくなる「少女」が良かった。2017/07/17
アカツキ
11
ブラックジョークを小説にしたような短編集。オチが読めても面白い。「記念日の贈り物」をはじめ、恋人や夫婦など男女関係が破綻する話が多いけれど、いい感じに毒が効いていて好き。しかし、最後の「少女」は後味が悪い。あの「好き」はそういう意味だよね。深読みのしすぎであることを祈りたい。バイバイ!グッドバイ!2019/12/23