内容説明
古びた二階建ての建物で、開業医を始めたサックス。いままで医師のいない村だったプライの住民たちは、まだ若く独身の彼を、最初は好奇の目で見る。どうせ、すぐ町に転居してしまうのさ。子供が泣きやまないんです…大したことはないと思うんですが、熱が…病気や怪我や老いは待ってくれない。いつしか待合室は満員になり、人々は熱心に噂を交換する。友達もいないのかな…本屋で見掛けた…食生活がみすぼらしい…でも、いい人みたいだよ…時間外でも、往診でも、ほかの医者の患者でも、常に患者と正面から向き合う医師の日々。フランスで、文芸書としては異例の60万部を売り上げ、世界中で反響を呼んだ話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
13
フランスの片田舎の開業医の生活を、彼を巡る様々な人々の視点から描き出すフィクション。最初は、二人称が多い語り口に混乱してなにがなんだかよく分からなかったものの、登場人物が飲み込めてからはとても面白く、二段組みで500頁を一気に読みました。往診を求めるひと、子供や老人を心配する主婦、待ち時間の長さにいら立つ人、医者を巡るひとびとはみなそれぞれに事情を抱えている。良い医療とは?医者とは?と考えずにはいられなくなる内容ですが、深刻な部分もありつつ、どこかおかしいところもあって楽しく読みました。2020/03/14
ほしいもアボカド
0
プライバシーとは、他人に挨拶をすることで守られる自己ではないだろうか。 松山巌 ~他人に対し、畏れの心を。2016/01/25