内容説明
1968年10月、カリフォルニア州南西部の都市タスティン。オレンジの出荷工場の廃屋で、頭を切り落とされた若い女性の死体が発見され、保安官事務所の部長刑事ニック・ベッカーは現場に急行した。被害者が誰かを知って、ニックは愕然とする。子どもの頃から知っているジャニル・ヴォンだったのだ。愛らしかったジャニル、ミス・タスティンにもなった彼女がなぜ?現場には新聞記者として活躍するニックの弟アンディも駆けつけていた。容疑者として、現場近くにいたホームレスの男が捕らえられたが、その取り調べをするかたわら、ニックは別の手がかりを求めて捜査を始める。この事件は、彼が初めて指揮をとる殺人事件だった。一方、アンディも独自に調査を開始した。やがて、ジャニルが麻薬捜査に関わっていたことや、妊娠していたことなどが判明し、事件は複雑な様相を呈し始める。ニックとアンディは、牧師である長兄のデイヴィッドの助力を得て、時に協力しあいながら、込み入った人間関係を調べていく。そして、ある人物が有力な容疑者として浮かんでくるが…。変動する1960年代のカリフォルニアを背景に、兄弟の絆、家族の崩壊、男女の愛憎を情感豊かに描き出す。『サイレント・ジョー』に続き、二度目のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞した俊英の感動作。
著者等紹介
パーカー,T.ジェファーソン[パーカー,T.ジェファーソン][Parker,T.Jefferson]
ロサンジェルスに生まれ、南カリフォルニアで育った。オレンジ群の公立高校を卒業後、1976年にカリフォルニア大学アーヴィン校で英文学の学士号を取得。78年から新聞記者として働き、三度にわたってオレンジ群のプレス・クラブから表彰されている。この記者生活で得た情報や経験を活かし、85年に作家デビュー。以後順調に執筆を続け、長篇第9作となる『サイレント・ジョー』(2001年)でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞した。続いて『ブラック・ウォーター』(2002年)、『コールド・ロード』(2003年)と話題作を発表、最新作の本書では再びアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞し、いま最も注目される作家である。現在はカリフォルニア州フォールブルックで暮らしている
七搦理美子[ナナカラゲリミコ]
1960年生、津田塾大学国際関係学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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