内容説明
18世紀当時すでに完成されていた、精緻きわまりない測地学の方法の素晴らしさ。そこに忍びこむ、避けえない測定誤差。そして、その誤差さえもが科学を科学たらしめるうえで重要な役割を果たす。人間の営みとしての科学の発展を、グローバリゼーションの先駆けとも言うべき、世紀の測地学ミッションの胸おどる経過に織り混ぜて語りつくす、一大科学絵巻。
目次
北へ向かった天文学者
南へ向かった天文学者
革命の度量衡
モンジュイの城
計算ができる国民
フランスの恐怖
ミッション、ついに収束
三角測量
科学の帝国
途切れた子午線
メシェンノ誤り、ドゥランブルの静穏
メートル化された地球
わたしたちの世界の形
著者等紹介
オールダー,ケン[オールダー,ケン][Alder,Ken]
ハーヴァード大学で物理学を学び、歴史学の博士号を取得。ノースウェスタン大学で歴史を講じる。『Engineering the Revolution』で1998年、科学技術史を扱った書籍を対象とするデクスター賞を受賞。『The Measure of All Things』ではともに科学史を扱った書籍を対象とするデイヴィス賞、ディングル賞を受賞、各紙誌で絶賛を浴びた
吉田三知世[ヨシダミチヨ]
京都大学理学部物理系卒業。英日・日英の翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
13
7年の年月をかけて長さの基準を確定するために測量を繰り返した科学者たち。メートル法とは何か、何のためなのか。精密な測定とは何か、何のためなのか。完璧なデータは必要なのか、あり得るのか。19世紀に統計学の基本となった、精密度(同じものを測定した複数の結果の一貫性)と、正確度(これらの結果が「正しい答え」にどれだけ近いか)の違いがわからなかった時代、学者はなにを悩み、なにをもって正しい結果と考えたのか。政治的、文化的な背景を別にしても、科学の基礎となる考え方の問題で魅了されました。2007/12/31
takao
1
ふむ2022/05/04
GKO098
1
430ページ:「一メートルは「クリプトン八六原子の特定のエネルギー遷移によって放出される光の波長」であると再定義した際にも」 と書いてあるが、実際にはその1650763.73倍である。 かなり長いが、後半の科学者として「正しくなくていいが正直でいる」を突き詰める姿勢が好き。2021/01/12
FF5
1
☆2つ。かつてメートルは地球の子午線の四分の1の1000万分の1と定められました。その経緯を測定とともに、またその測定につきまとった数々のエピソードとともに、さらにはメートルがどのように広がっていったかまで語る本書なのですが・・・いかんせん、冗長。フランス革命が絡んでいるだけあって、なかなか自体も複雑なのですが、エピソードの数も多すぎて、例えて言うなら聖書を頭から呼んでいるような感覚です。ただ、この中で生まれた測定誤差の話や、度量衡統一の論など、注目すべき点もありました。ただ、読みにくいなあ、やっぱり。2011/09/15
yami
0
○2009/10/08
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- 和書
- 公式でわかる初級中国語