内容説明
恋は不思議なもの。ある時は人生に歓びを与え、ある時は苦難をもたらす…。年老いた大富豪ラファティの依頼は、ごく簡単なものだった。甘やかされて育った一人娘のリーバが、横領の罪で服役していた刑務所から出所するのを迎えに行き、自宅へ送り届けてほしいという。30歳を超えているのに常識に欠けるわがまま娘のお守り役だが、ひどく楽な仕事に思えた。出所したリーバはキンジーには気を許し、なにかと制限の多い仮釈放中の生活で友人づきあいを求めてくる。だが、彼女の元の雇い主ベックがマネーローンダリングに手を染めており、彼と愛人関係にあったリーバがそこに足を突っ込んでいたことが判明し、楽な仕事は吹っ飛んだ。ベックを摘発したいFBIや国税庁の合同チームがリーバの証言を求めて接近してくる。チームに参加しているのが、旧知の市警チーニー警部補だったことから、キンジー自身の身にも予想外の出来事が!カリフォルニアの女探偵が、ひさびさの恋に燃えつつ事件に挑む、人気シリーズ最新作。
著者等紹介
グラフトン,スー[グラフトン,スー][Grafton,Sue]
1940年4月24日、ケンタッキー州ルイヴィル生まれ。父親は弁護士で作家でもあるC・W・グラフトン。60年代から小説や脚本を執筆、78年に結婚したスティーヴン・ハンフリーとの共作でもTVの脚本などを多数手掛けてきた。82年に発表したキンジー・ミルホーン・シリーズ第一作『アリバイのA』で注目され、85年の『泥棒のB』でアンソニー賞とPWA賞を受賞
嵯峨静江[サガシズエ]
青山学院大学文学部英米文学科卒、英米文学翻訳家
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