内容説明
オックスフォード大学史学部の学生ネッド・ヘンリーは、第二次大戦中のロンドン大空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂の再建計画の資料集めの毎日を送っていた。だが、計画の責任者レイディ・シュラプネルの命令で、20世紀と21世紀を時間旅行で行ったり来たりさせられたネッドは、疲労困憊、ついには過労で倒れてしまった。シュラプネルから、大聖堂にあったはずの「主教の鳥株」という花瓶をぜひとも探し出せと言われていたのだ。二週間の絶対安静を言い渡されたものの、シュラプネルのいる現代にいては、ゆっくり休めるはずもない。史学部のダンワージー教授は、ネッドをのんびりできるにちがいない、19世紀のヴィクトリア朝へ派遣する。ところが、時間旅行ぼけでぼんやりしていたせいで、まさか自分が時空連続体の存亡を賭けた重要な任務をさずかっているとは夢にも思っていなかった…。ジェローム・K・ジェロームのユーモア小説『ボートの三人男』にオマージュをささげつつ、SFと本格ミステリを絶妙に融合させ、ヒューゴー賞・ローカス賞のほか、クルト・ラスヴィッツ賞を受賞したタイムトラベル・ユーモア小説。
著者等紹介
ウィリス,コニー[ウィリス,コニー][Willis,Connie]
1945年、コロラド州デンヴァーで生まれる。1967年、北コロラド大学を卒業したのち、教師をつとめるかたわら小説を発表しはじめた。短篇集『わが愛しき娘たちよ』収録の「見張り」でヒューゴー賞・ネビュラ賞・SFクロニクル賞、「クリアリー家からの手紙」でネビュラ賞を受賞し、1987年に発表した初の単独長篇『リンカーンの夢』でジョン・W・キャンベル記念賞を受賞。さらに、前人未踏の14世紀に時間旅行した史学部の女子学生キヴリンの波乱万丈の運命を描く、1992年発表の『ドゥームズデイ・ブック』で、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞した。また、1994年発表の『リメイク』では、近未来のハリウッドを舞台に恋とダンスと映画への愛に満ちた物語を描き、ローカス賞を受賞している。2001年発表のローカス賞受賞作『航路』は日本でも大きな話題を呼び、『SFが読みたい!2003年版』の「ベストSF2002」第一位に輝いた。『犬は勘定に入れません―あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』は、数々の受賞に輝いた『ドゥームズデイ・ブック』の姉妹篇であり、ヒューゴー賞・ローカス賞を受賞している
大森望[オオモリノゾミ]
1961年生、1983年京都大学文学部文学科卒、英米文学研究家・翻訳家
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感想・レビュー
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ケイ
藤月はな(灯れ松明の火)
あーさん☆本に埋もれてます(╯︵╰,)
sin
橘