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犬は勘定に入れません―あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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  • サイズ B6判/ページ数 542p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152085535
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

オックスフォード大学史学部の学生ネッド・ヘンリーは、第二次大戦中のロンドン大空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂の再建計画の資料集めの毎日を送っていた。だが、計画の責任者レイディ・シュラプネルの命令で、20世紀と21世紀を時間旅行で行ったり来たりさせられたネッドは、疲労困憊、ついには過労で倒れてしまった。シュラプネルから、大聖堂にあったはずの「主教の鳥株」という花瓶をぜひとも探し出せと言われていたのだ。二週間の絶対安静を言い渡されたものの、シュラプネルのいる現代にいては、ゆっくり休めるはずもない。史学部のダンワージー教授は、ネッドをのんびりできるにちがいない、19世紀のヴィクトリア朝へ派遣する。ところが、時間旅行ぼけでぼんやりしていたせいで、まさか自分が時空連続体の存亡を賭けた重要な任務をさずかっているとは夢にも思っていなかった…。ジェローム・K・ジェロームのユーモア小説『ボートの三人男』にオマージュをささげつつ、SFと本格ミステリを絶妙に融合させ、ヒューゴー賞・ローカス賞のほか、クルト・ラスヴィッツ賞を受賞したタイムトラベル・ユーモア小説。

著者等紹介

ウィリス,コニー[ウィリス,コニー][Willis,Connie]
1945年、コロラド州デンヴァーで生まれる。1967年、北コロラド大学を卒業したのち、教師をつとめるかたわら小説を発表しはじめた。短篇集『わが愛しき娘たちよ』収録の「見張り」でヒューゴー賞・ネビュラ賞・SFクロニクル賞、「クリアリー家からの手紙」でネビュラ賞を受賞し、1987年に発表した初の単独長篇『リンカーンの夢』でジョン・W・キャンベル記念賞を受賞。さらに、前人未踏の14世紀に時間旅行した史学部の女子学生キヴリンの波乱万丈の運命を描く、1992年発表の『ドゥームズデイ・ブック』で、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞した。また、1994年発表の『リメイク』では、近未来のハリウッドを舞台に恋とダンスと映画への愛に満ちた物語を描き、ローカス賞を受賞している。2001年発表のローカス賞受賞作『航路』は日本でも大きな話題を呼び、『SFが読みたい!2003年版』の「ベストSF2002」第一位に輝いた。『犬は勘定に入れません―あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』は、数々の受賞に輝いた『ドゥームズデイ・ブック』の姉妹篇であり、ヒューゴー賞・ローカス賞を受賞している

大森望[オオモリノゾミ]
1961年生、1983年京都大学文学部文学科卒、英米文学研究家・翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

151
イギリス文学の奥深さをまた見せられた。ストレートにではなく、しかし強く訴えてくる。時に冗談がキツすぎるようで、冷たく高慢であるようながら、ニヤリと冷笑を浮かべながら放たれる優しさとでも言おうか...。こういうのは、文学的パンクじゃないだろうか。だから私は、イーヴリン・ウォーやミュリエルスパークスがすきなのだが、この作者のコニー・ウィリスも、そうなんだろうなと思う。イギリス文学ぶりに感服です。そもそも、主教の鳥株ってなんなのよ?と最初から翻弄されながら楽しく読み、感動した。2019/02/24

藤月はな(灯れ松明の火)

87
大聖堂を破壊し尽くした空襲の阻止だけでなく、パワハラ女傑なレディ・シュプラネルから俗悪な花瓶を見つけて破壊せよと言われたヘンリー君。たび重なるタイムトリップでぶっ倒れた彼は「もう、限界だッ、休ませてくれ!」とヴィクトリア朝へ避難したが・・・。『ボートの三人(+モンモラシー)』の登場だけでなく、胡散臭すぎる降霊術、プロポーズの攻防戦を繰り広げたピーター卿とハリエット嬢、灰色の脳細胞、「執事が犯人」、ジーヴス、オースティン的ラブコメなどの小ネタに今まで読んできた英国小説を思い出してニヤニヤしてしまいます^^2015/09/20

あーさん☆本に埋もれてます(⁠╯⁠︵⁠╰⁠,⁠)

63
図書館で借りたページが取れそうな本。分厚いから持ちにくい!!!文庫本が出ているようなので、そちらを買おうかと('・ω・') 2020/03/31

sin

42
タイムトラベル物に恋愛はつきものだと思っていたけど、なるほど時代酔いで感傷的になってしまうからなんだね?すごく面白い物語でみんなに薦めたいけれど、タイムパラドックスの理屈っぽい仮説のくだりを目にしただけでSF苦手の読者たちは惹いちゃうんだろうなきっと?もったいない、こんなに面白い物語なのに…。2013/11/05

36
オススメしていただいた本です。とても面白かったです。タイトルから、タイムトラベルものだとは分からなかったので驚きましたが、SFやミステリー、時代ものや恋愛ものの要素があって、わちゃわちゃしていて読んでいて楽しかったです。登場人物たちも魅力的で、犬と猫もとてもかわいい。歴史の流れというものはやっぱり変わらないのかもしれないと思いました。スピード感がありました。2017/01/31

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