出版社内容情報
老後は勇気をなくして乗り切れない。今までの人生の経験を凝縮して明日に立ち向かう。老後は良いことばかりではない、思わぬ病気もする。老人性鬱病を告白し克服した作家の壮絶な闘い。老後の生き方の意味を提言する森村誠一渾身の話題作。
内容説明
考え方を変えてみてはどうか。身体が老いても病を経験しても、心は老いてしまうわけではない。老いを恐れず、残された日々を自然体でいること。良いことも悪いこともすべて過去の出来事として水に流す。今までのことはリセットして、ゼロから始まると考える。続編やエピローグのつもりでいるのではなく「新章」にすればいい。人間はいくつになっても、新しいことを始められる。少しだけの勇気があれば、夢は必ず叶うのである。
目次
第1章 私の老人性うつ病との闘い
第2章 老人は、余生に寄り添う
第3章 老人は、死に寄り添う
第4章 老人は、健康に寄り添う
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学卒業。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家になる。69年『高層の死角』で江戸川乱歩賞、73年『腐蝕の構造』で日本推理作家協会賞を受賞。推理小説、時代小説、ノンフィクションまで幅広く活躍する文壇を代表する作家。数多くのミリオンセラー作品がある。2004年に日本ミステリー文学大賞、11年に『悪道』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
95
88歳になられる森村氏の新書である。老いる意味が語られると共に百歳まで生き、仕事をするつもりで予定でお気に入りガラスのペンを買ってしまう森村氏の生きる気概が書かれていると思う。氏には強靭で驚異的な精神力が存在していると思う。でなくては、80歳過ぎてからの老人性鬱や認知症に打ち勝ち仕事を現在も行うことは出来ないだろう。その気概や生き方が書かれている。2021/07/26
おたま
69
ご自身も老人性うつ病になった体験をもつ森村誠一さん。その時の不安な状態、医師への要望、そして克服の闘いとご自身の体験も赤裸々に述べている。そうした体験を潜り抜けたからこその重みのある言葉。語っていることは私も普段考えていることと重なることが多く、これでいいんだという励ましとなった。読後感は非常に清々しい。88歳になられても、その精神は若者のようではないか。健康には気を使っても。「ネバーギブアップ!」そう、いつまでもその気持ちは忘れないでいたいと思った。2021/11/01
油すまし
60
著者の老人性うつ病の経験が心に染みた。特に診察のたびに渡した主治医への手紙。この本と近藤勝重さんの「老いの抜け道」は折にふれ読み返したい。母にも勧めたい。2022/02/27
つちのこ
49
90歳で亡くなる2年前の出版。ストイックで真面目過ぎる性格が老人性うつを発症するきっかけになったのだろうか。克服するまでの闘いぶりはすさまじい。それだけに、人が老いていくことの意味と、長い老後に向かっての生き方への思いには説得力がある。シニア世代になってこその「自由な読書」を楽しむ項は、まさに直球ど真ん中。好きな本を好きなだけ読める時間こそ、今の私の心のよりどころである。巻末のネバーギブアップ!は読者に向けた最期のメッセージと受け止めた。ループタイを否定しながらも、帯の近影にはしっかり写っていたのはお笑。2024/03/18
布遊
45
森村誠一の本はほとんど読んでいたので、手に取った。2年前に88歳。鬱病と戦っていたとは知らなかった。これから行く道。参考になった。2023/07/14
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- 和書
- 模範六法 〈令和7年版〉