Hayakawa novels
誇り高き男たち

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152084217
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

1914年、ヨーロッパの緊張は中近東の地へも飛び火していた。斜陽のオスマントルコ帝国と手を結んだドイツは、自国と中近東を結ぶ大動脈、バグダッド鉄道の建設に邁進していた。だがそれは、英国がようやく手にした中近東の橋頭堡、クウェートへの脅威となる。いまや中近東の覇権は、新時代の軍事・産業・経済の必需品―石油の独占を意味していた。バグダッド鉄道建設にあたっていたドイツ人の鉄道技師が、現地の山賊に誘拐された。工事はストップし、事件解決のために政府と鉄道会社は身代金を支払うことにする。これは、密かに建設の妨害を目論む英国にとっては絶好のチャンスだった。だが表立った活動は、全ヨーロッパを巻き込んだ戦争の勃発に繋がりかねない。外務省の要請を受けた情報局は、ランクリン大尉に密命を発した。身分を偽って潜入し、身代金の支払い、そして事件の解決を阻止すべし―相棒のオギルロイを伴い、偽外交官となったランクリンは、交渉の仲介役をつとめる謎の子爵夫人とともにオリエント急行の旅に出る。だが風雲急を告げる中近東の砂漠には、予想以上の罠が待ち構えていたのだ…。激動の時代に、誇りをもって生きる人々の熱き闘い。巨匠ギャビン・ライアルが、『スパイの誇り』『誇りへの決別』に続き、草創期の情報戦を鮮やかに描き出す、冒険スパイ小説シリーズ最新刊。

著者等紹介

ライアル,ギャビン[ライアル,ギャビン][Lyall,Gavin]
1932年英国バーミンガム生まれ。1961年に『ちがった空』でデビュー後、『深夜プラス1』、『もっとも危険なゲーム』など冒険小説の傑作を次々と発表。1980年代にはマクシム少佐シリーズ四作を執筆した

遠藤宏昭[エンドウヒロアキ]
1952年生、早稲田大学第一文学部英文科卒、ブリティッシュ・コロンビア大学大学院修士課程修了、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鐵太郎

12
話の始めのアラビア湾の石油投資に関する陰謀から始まり、大物情報屋の暗殺事件とたたみかけるようにストーリーは進展します。オリエント急行、老いたものの若き日の色香を充分に残す子爵夫人、そしてコリーナの出現。山の要塞。分解されて運ばれる山岳砲。カズルガ、すなわちトルネードといわれた男。羊革のコートを着た「戦士シープ」とは誰か。高低照準器が1950メートルにセットされていた大砲。笛の音。  ──そう、彼らは自分たちの存在価値を見直し、もう一度誇り高き男に戻れたのでした。2010/05/19

魔魔男爵

3
「もしわたしが男だったら、パパを見捨てて自分の力でやっていくこともできるわ。わたしが持っている経験をもってすれば、どこだって放っておかないわ。でも、女であるわたしとなると、皆パパの娘だからって理由で、わたしを相手にしているだけなの」例によってジェンダー観が素晴しい!ヒロインが遂に砲兵として目覚める!!油まみれ泥だらけになって装填手として大活躍!!!そして、男だろうと女だろうと、誇りの為に勇敢に戦う者は戦争賛美の社会の敵だという認識もある傑作。レイプ魔の誇りも語った、題名とテーマが真逆の傑作w2011/05/13

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