内容説明
凶悪犯罪の増加、家庭の崩壊、政府への信頼の低下―工業化社会から情報化社会への急速な変化は、その一方で、深刻な「社会秩序の大崩壊」を引き起こしている。インターネット時代を迎えた今、われわれの社会はどこへ向かっているのか?本書はアメリカ最高の知性が、現代社会の諸問題を徹底検証し、21世紀に進むべき道を提示したものである。著者はまず、脱工業化という巨大な波のなかで、従来の社会規模がいっせいに力を失いつつある「大崩壊現象」の本質を、最新データを駆使して明快に解き明かす。そして、この現象がいつまで続き、どうすればわれわれはこの大崩壊を乗り越えられるかを、斬新な視点から提言する。全体主義の終焉を予言するとともに、リベラル民主主義が抱える矛盾を鋭く指摘した大著『歴史の終わり』で全世界の知識人を震撼させたフランシス・フクヤマが放つ衝撃の21世紀論、ついに刊行。
目次
第1部 大崩壊(ルールの意味;犯罪、家族、信頼の現状;大崩壊の原因(これまでの通念;人口、経済、そして文化)
女性の特殊な役割
大崩壊の影響
大崩壊は不可避だったのか?)
第2部 道徳の系譜について(規範はどこからくるのか?)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
32
最近非常に人気を読んでいる歴史学者あるいは文明評論家と一定のでしょうが、そのフランシス・フクヤマが15年くらい前に書いたもので再読です。若干訳が「大崩壊」ということで扇情的な気がします。Disruptionという言葉なので大崩壊だとイメージが少し違う気がして読んでいました。当時のアメリカ社会の分析をしていて分析はきちんとしているという気がしました。2014/11/14
活字の旅遊人
7
概ねは、合っていたのかもしれないな。確か、友人にバカにされて、下巻は読まなかった。
void
1
【★★★★★】工業化社会から情報化社会への過程で女性の社会進出の加速し(核家族化)、個人主義の進展を主要因とすると考えられる社会資本の低下(犯罪増加や信頼の低下→「大崩壊」)、といった社会分析をデータ的裏付けに基づいて分析し、発生の事実から原因・対策まで多様に盛り込んでいる書。学問的冷静さを失わずに論を進めていくのは当然として、批判がしにくいことこの上ない。特に「社会資本」という測りがたい(が事実として重要な)ものがメインになってるので尚更。まあアジアの分析が弱いかなぁとは思わなくもないが。2011/10/24
ヨンデル
0
昔読んだ本です、整理のため登録しています。 2024/05/29
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