謎の蔵書票

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  • サイズ B6判/ページ数 354p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152082749
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

1660年、王政復古直後のロンドン。そこで20年近く書店を営むインチボルドは、アレシアと名乗る貴婦人から行方不明の稀覯本探しを依頼された。清教徒革命中に屋敷を荒らされたときに紛失した『迷宮としての世界』を取り戻してほしいという。それは1620年代のプラハで帝国図書館のために書籍の買い付けにあたり、蔵書家としても名高かった彼女の父アンブローズ卿が遺した貴重なものだった。破格の報酬に不審の念を抱きながらも、インチボルドはアレシアの屋敷から密かに持ち出した謎の暗号文を手がかりに蔵書探しを開始する。彼が試行錯誤の末に暗号を解くと、『迷宮としての世界』を思わせる言葉が浮かびあがった。はたして、この言葉には何の意味が?謎が深まっていくなか、蔵書の行方を追うインチボルドは、自分でも知らぬうちにアンブローズ卿と三十年戦争の時代に遡る恐るべき陰謀へと呑み込まれていった!1660年のロンドンと1620年代のプラハ。40年の歳月を経て一冊の稀覯本から繙かれる壮大な謎。“博聞と好学の徒をもって任じる”書店主アイザック・インチボルドを道案内に、書籍に関する蘊蓄をちりばめて贈る話題の歴史ミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケロリーヌ@ベルばら同盟

48
1660年ロンドン、テムズ川に架かる橋上に店舗を構える書肆『無類堂』の店主インチボルトに、稀覯本探索の依頼が舞い込む。清教徒革命、王政復古に揺れるイングランドの夏と40年前の冬のプラハが交錯する。蒸し暑い夜と降りやまぬ雨、凍える北海の波涛に見え隠れする智慧の劇薬、神秘の武器庫。それが幻の書物の正体だろうか?博覧強記な書籍、科学、歴史の蘊蓄に圧倒されつつ、読者の浅学故か、話の全体像が最期まで掴めないもどかしさに行きつ戻りつつ漸く読了。2019/07/23

N.K

4
ビブリオミステリを探すと必ず上位に出てくる、定番の一冊と言える本。稀覯本とヨーロッパの歴史を絡めた重厚なストーリーで、ビブリオミステリとしては正統派な一冊と思います。 序盤に出てくるのは錬金術などオカルト色が強いものばかりだが、やがて地図や天文の話につながり、歴史の暗部に翻弄された書物と先祖達の結末が語られます。 ストーリーと伏線が見事で、読み応えがある一冊でした。2016/01/09

休止中

4
最近(某漫画の影響で)エクスリブリスに関心があったので、この本のタイトルに興味がわいて手に取りました。本が好きな人や西洋史が好きな人にオススメのストーリーだと思います。2009/02/28

ひなた

2
★★あとがきによると、この本は「ジョン・ダニングライク」との触れ込みで販売されたらしい。といってもダニングは現代アメリカ、キングは17世紀のヨーロッパ。趣はかなり異なる。ここで語られるのはコレクション的価値ではなく、学術的価値とそれに付加される政治的価値。17世紀カトリックとプロテスタントの間で起こった宗教戦争を舞台に、ロンドンとプラハという二つの都市を中心に本の謎が描かれる。途中情報量が多すぎて、読んでいてもどこに焦点を合わせていのかわかりにくく、十分楽しめたとは言えない。最後には一応納得できたけれど。2012/12/13

左近

2
17世紀半ばのイングランド、妻子と死に別れた、足の不自由な書店主が、荒れ果てた屋敷に住む貴婦人から、ある書物の捜索を依頼された。更に、40年前のヨーロッパ大陸における物語も交互に綴られる。後半はちょっとしたアクションとスペクタクルが待ち受けており、なかなか盛り上がる。そして、随所に語られる歴史的、文化的蘊蓄が知的好奇心を刺激してくれる。読み進むうちに、どんどん引き込まれていった。2012/01/17

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