内容説明
衰退しつつある銀河帝国を救う未来予測の理論、心理歴史学を完成させるべく、帝国の首都惑星トランターの大学で研究を続ける天才数学者ハリ・セルダン。首相エトー・デマーゼル(R・ダニール・オリヴォー)によって、皇帝クレオン1世に次期首相として推薦されたハリ・セルダンだったが、できることなら政治などにはかかわらず、大学で研究に専念したいというのが本音であった。一方、心理歴史学を利用して自らの治世の維持をはかろうとしていたクレオン1世も、議会の反対にあい、なかなかセルダンを首相にできずにいた。そんなおり、辺境惑星サークの遺跡から発掘された模造人格2体―ジャンヌ=ダルクとヴォルテールがセルダンの研究室にもちこまれた。2体は、帝都トランターの巨大コンピュータ内の仮想現実に再生されたが、よもやこれが、銀河帝国の根幹を揺るがす怖るべき危機につながろうとは…!?巨匠アイザック・アシモフの遺志をつぎ、現代SFを代表する三人の旗手―グレゴリイ・ベンフォード、グレッグ・ベア、デイヴィッド・ブリンが、見事に再構築した「新・銀河帝国興亡史三部作」、待望の第一部堂々登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aki
2
ファウンデーションと銀河帝国、ハリ・セルダンという「設定」「登場人物」を借りた2次創作ですな。大のファウンデーションファンとしては出版された以上、手に取らざるを得なかったが、予想通り(といってはなんだが)まったくおもしろくない。アシモフが、あえて避けたことを、なんのためらいもなく採用するあたり、アシモフとファウンデーションに対するリスペクトがないじゃん、と怒りつつ3部作を読み終えたのも遠い過去(全部、読んだんかい。作者が違うと、ちょっと期待した)。オリジナルの設定をいじらんで欲しいわ。2021/04/18
可兒
2
かなり内容が様変わりしていて驚いた。しかしやはり銀河帝国シリーズ、圧巻2009/03/08
A.Sakurai
1
アシモフ亡き後の新三部作の第一巻.セルダンが首相になるまでの騒動を描く.オリジナルにはない新しいガジェットが大幅に取り入れられている.人工知能,ネットの仮想空間,動物行動学,ワームホール,進化論(アシモフは生化学者だから進化論を使わなかったのは意図的だったはず).しかし,新設定によって世界の魅力が増したようには感じられない.ペダンティックで生硬な作風になっている2017/01/08
thuzsta
1
あらかじめベンフォードを読んでいなければたくさん読み飛ばしていたかもしれない。2015/12/14
ギンナイ
0
一千の六乗を単位に数える人々、数十億を超える居住惑星。そんな世界の本シリーズ。原作者が亡くなってからの続編。明らかな地雷だと思って踏んだらやはり地雷だった。まさかこのシリーズで読むことが苦痛になろうとは。訳は分けがわからない。オリヴォーって誰だよ。狂信者と偏屈者の会話は苦痛に満ち、ハリは訳のわからない旅に出る。これは上等な同人誌だと思っても苦痛になる。 唯一、面白い表現としては「魔術でないことが判別できる科学技術は、充分な発達を遂げたものではない。」くらいか。言葉遊びだけども。2013/12/04