三本の矢〈上〉

三本の矢〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152081643
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

すべては大蔵大臣の失言が発端だった。国会の予算委員会において、蔵相の瑞田が、かねてより経営難が噂されていた日本不動産金融銀行の状態が「極めて危険なレベルに達しつつある」と発言したのだ。議場は騒然とし、記者たちはニュースを社へ報ずべく出口へ殺到する―まさしく、「昭和金融恐慌」の再現だった。日本不動産金融銀行は倒産へと追い込まれ、未曾有の金融パニックが日本全土に波及する。大蔵省は対応策を策定すべく、緊急チームを編成、事態収拾に向けて動きはじめる。その一方で、驚くべき事実が判明する。瑞田が読み上げた答弁書の中身は、何者かの手によって差し替えられていたのだ。となれば、蔵相の問題発言は「失言」などではなく、周到に仕組まれた陰謀だったことになる。いったい誰が、何の目的で―?現実の日本を襲う「危機」を現在進行形でシミュレートする、驚愕の金融経済サスペンス巨篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

143
大蔵大臣が失言する。それはある官僚の策略でメモは事前に差し替えられていた。謎を追う官僚の目を通して、政界、財界、官界の様子が描かれる。現役の官僚が書いたらしく官庁の内部の描写は生々しい。ミステリー要素は少なく、業界の裏を暴くことが目的の小説だ。かなり癖のある、複雑系の研究者が登場する。この研究者の語りも面白い。下巻に続く。

ヤギ郎

14
物語上巻。国会で大蔵大臣の答弁書がすり替えられ、その大臣は失言をしたことにより、大手銀行が倒産に追い込まれた。大蔵省では、金融政策派(銀行局など)の官僚たちが、日本に新たな金融システムを導入すべく、この機会に乗じて大きな政策転換を打ち出す。これに反対する財政派(主計局など)が時間稼ぎと思えるような不可解な行動で金融政策派と対抗する。主人公の紀村は大蔵省の若手キャリア官僚である。秘書課(人事課)に所属していた縁もあり、答弁すり替えの真相を探ることになった。何となく物語の裏側が見えたところで次巻に続く。2023/08/21

羊山羊

10
大臣の国会での答弁。それが、銀行の倒産にまでつながってしまった!しかし、今回の答弁は中身がすり替えられていたという。犯人を探るべく、紀村という男が抜擢される。政治金融・経済が一緒くたになった、高密度のポリティカル・サスペンス。小説の中身の大半が会議と書類で構成される無機質な世界とディテールに夢中になれる1冊です。 2026/05/26

みー

2
上司に借りて(2)。大蔵大臣の失言に端を発する金融経済サスペンス。やけに行政機の風土や業界用語に詳しいなと思ったら、本職の官僚の著書。意図しない言動により社会情勢が大きく変わることがあるのは様々な前例からも明らかだけれど、作中でも銀行局が必死に対応策を急ごしらえしているように、短期間で国家の重要課題への対応方針を作成し、実行に移す(まだ揉めてる段階だけど)のは素直にすごいなと思った。また、政治学などの知識が中心人物によって説明されていて普通に勉強になってしまった。これを働きながら執筆した著者はすごい。2024/02/01

ゴリゾウ

2
榊東行(さかき・とうこう)/すべては大蔵大臣の失言が発端だった。国会の予算委員会において、蔵相の瑞田が、かねてより経営難が噂されていた日本不動産金融銀行の状態が「極めて危険なレベルに達しつつある」と発言したのだ。議場は騒然とし、記者たちはニュースを社へ報ずべく出口へ殺到する-まさしく<昭和金融恐慌>の再現だった。『カバー』 #874-11999/04/07

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