内容説明
りこうで生意気で、すこしワルの雄猫フランシスは、頼りにならない飼い主のグスタフとともに古ぼけたアパートに引っ越してきた。ところが、新居の探索にでたフランシスを待ち受けていたのは、無残に殺された仲間の死体。こんなむごいことをしたのは人間か、それとも…。しかも近所を縄張りとする猫の「青髭」の話では、猫殺しはこれで四件目だという。コンピュータを自在に操る長老猫パスカルの協力で調査を開始したフランシスは、やがて、猫たちにおそるべき実験を繰り返していた科学者の手記を発見する。サイコ・サスペンスのスリルと知的興奮、そして感動のラスト。世界中で絶賛され、ベストセラーを記録した、猫による猫のミステリ。ドイツ・ミステリ大賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみこ
2
雄猫フランシスコが引っ越してきた先で起こる連続殺猫事件。知的好奇心旺盛な彼が追う事件の意外な犯人とは。猫だらけで猫まみれ。猫と同居人の関係性や猫の行動は楽しいが、サイコ寄りの事件が凄惨でキツイ。動機は斬新…いやダメだよ本当にこんなことは。2024/12/21
一柳すず子
2
マッドサイエンティストに翻弄された猫たちの受難。フランシスが飼い主グスタフと引っ越して来た地域で頻発する猫による猫の惨殺事件。仲間と一緒に解決するんだけど、動機は壊れてしまった心が生み出した選民思想。博士を狂わせたクラウダンドゥスの自己治癒能力は何だったんだろう。2016/12/11
H.Sato
1
このミス1995年版海外編第10位。 猫社会の殺猫?事件を猫が解決する。「あらゆるディテイルが重要なんだ」と、ところどころでニヤリとさせられるが、個人的にやや難しく読みにくい感も。しかし、斬新な設定で気分転換になった。 B2024/04/20
よ
1
猫たちがクリスマスになんか楽しいことをするのかな~と思ったら全然ちがう。凄惨な殺害現場、過去の衝撃的な生体実験、種の存続が脅かされる。それに立ち向かうアツいハートを持ったちょい非行猫フランシス。ぜんぶ猫の世界の話。だけど人間とおなじ普遍的な問いの前に思い悩み、挑む。良すぎた。「動物がいい人間で、人間は悪い動物なんだよ」2018/11/08
Durandal
1
理屈屋で探偵の猫フランシスの物語。推理モノとして普通に面白い。なんだかんだいって、飼い主が好きなフランシスがかわいい。