内容説明
私立探偵スペンサー・ブームに火をつけた代表作『初秋』から十年―十五歳の少年だったポール・ジャコミンはみごとに自立してダンサーになり、ガールフレンドのペイジとの結婚を考えていた。だが、遊び好きの母親パティとの連絡がとれず、困り果てた彼は、父のように慕うスペンサーに母親の行方を捜してほしいと頼む。男がいないと生きていけない彼女は、案の定、リッチ・ボーモントというチンピラと付き合って、さいきん駆け落ちしていた。しかも、その男はギャングの親玉ジョウ・ブロズの息子ジェリイの仲間で、百万ドルをこえる組織の金を持ち逃げし、命を狙われていた。失踪した二人を追って、ギャング組織とスペンサーとのつばぜりあいが始まる。親と子の絆、男と女の永遠の結びつき、探偵の生い立ちを物語る、人気シリーズ第18作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
94
【図書館本】スペンサーシリーズ。「初秋」から10年、頼りなかった少年は、一人の自立した青年へと成長する。今度は彼から行方不明の母親を探して欲しいという依頼だが・・・。10年の年月を経て、年を重ねたスペンサーであるが、相変わらずかっこいい。時に鼻につくような気障なセリフもあるけれど、それはまあ、ハードボイルドのお約束。途中、恋人スーザンに語る彼の生い立ちも興味深かった。まだまだ続きそうなラスト、続編があるとすれば「初冬」か、だがそれはもう叶わぬ想い。★★★2016/12/23
タナー
22
名作「初秋」の続編。立派な大人の男に成長したポールが、スペンサーのもとを訪れた。母が新しいボーイフレンドとともに姿を消し、行方が分からないという。ポールとスペンサーはホークの助けも得て、二人を見つけるべく行動を共にする。成長したポールの姿が微笑ましくまた頼もしい。スペンサーが自身の子供時代を語るシーンもあり、長くはないが読みどころの多い1冊。スペンサーものは読み始めると何回読んだものでもハマってしまう。また時々シリーズ作を再読することになりそうだ。2025/02/21
tai65
2
星5つ2017/11/18
hidetama
0
二十年ぶりに再読。ちゃんと働く。稼ぎに相応の生活をする。自分の価値観を持つ。スペンサーの行動原理は小気味いい。 そうだな、九十年代までは仕事はあったし、善だった。安い給料でもそれに見合った生活を必死に楽しんでいた。
ゆりっぺ
0
1998年8月17日