内容説明
エーゲ海を航行中のNATOフリゲート鑑〈アリアドネー〉は、尋常でない高度から墜落炎上中の機影をとらえた。国籍不明の大型機―何の目的でこの海域を飛んでいたのか?ところが、黒煙を吐いて飛行機から落ちていく海面の近くに、もうひとつ炎が上がっていた。個人所有のヨットが火災を起こして救難信号を発していたのだ。同時刻に同じ海域で発生した二つの遭難事故。そこに〈アリアドネー〉が居合わせたのは偶然だろうか?ヨットの生存者であるギリシアの富豪一行を救出した〈アリアドネー〉鑑長タルボットは、機関室が爆発したというヨットの事故原因に疑問を抱く。だが、タルボットの想像を超える陰謀が二つの事故の裏には隠されていた。エーゲ海全体が、死の罠にとらえられようとしていたのだ―!1987年に急逝した冒険小説の巨匠マクリーン。その最後の作品となった、サスペンス大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羊山羊
4
同著者の「麻薬運河」がバイオレンスな出来だったので、こっちもそうなのかと思いきや、こちらは一転、とてもミステリチックでエスピオナージュな出来に。事故で墜落した飛行機に積まれた原子爆弾3個と大量の爆薬が爆発すれば、地球の地殻やマントルを刺激して地球規模の災害を招いてしまう。その原爆を巡り、タルボット艦長率いる「アリアドネ」一行が、推理し、暗躍する。少し荒唐無稽な部分もあるけれど、組織のぶつかりや、敵との腹の探り合いなどの緊迫感あるワクワクに満ちた一冊。2015/07/11
雅
1
淡々と2017/04/27