内容説明
奇妙きてれつ、妙ちくりんな化石動物と、その謎に取り組んだ研究者たち。進化生物学の旗手が進化の偶然と生命の驚異にせまる気宇壮大な物語。
目次
1章 期待の図像を解読する
2章 バージェス頁岩の背景説明
3章 バージェス頁岩の復元―新しい生命観の構築
4章 ウォルコットの観点と歴史の本質
5章 実現しえた世界―“ほんとうの歴史”の威力
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizi
5
その昔、よく顔を出していたゲームサークルでは、自作TRPGのモンスターに古代生物の名を使うのが流行っていた。その元ネタだった本。だからなんだというわけではないが、懐かしくてまた読んだ。2024/12/09
しびぞう
5
読破に凄まじいまでの気力を使った。学べたことは、見つけた事実や物証はその時の感情や推察に流されずにとことん調べようということだろうか。それにしても学者が書く本というのはどうして他の学者を引き合いに出してあーだこーだ言わないと気が済まないのだろう。私が知りたいのはそれじゃない!とギリギリしながら読んだが、自分が抱いた感想を元にすれば、この本の中から私は必須である何かを発見できることになるのだろうと思って読み進めた。今のところ、読破故の達成感だけは確実に手に入れている状態。2017/01/31
Shori
4
「へんないきもの」好きにはたまらない。進化に対する通念が覆されるさまも痛快。2017/03/20
しんかい32
4
バージェス頁岩を知ったのは、10代の頃、高校の図書館で「ニュートン」を読んだ時。オパビニアにハルキゲニア、彼らのことをもっと知りたい!やがて書店でこの本を見つける。500ページもの豊富な情報!著者はあのグールド!思いは募ったが、当時のぼくには高価すぎ、古本屋に出回ったのをやっと入手したのだった。のちにバージェス研究の大物サイモン・コンウェイ・モリスから批判され、情報源としてはやや古くなった本書だが、高度に専門的な研究を読者にスムーズに理解させ、自然の驚異をまざまざと伝える著者の筆力は今みても圧倒的。2010/04/08
デューク
2
ハルキゲニア、アノマロカリス、オパビニア、などマニア心をくすぐる妙ちくりんな生き物たち。「バージェス動物群」と総称される奇妙な生き物たちの発見物語を中心に、生命進化の物語を語る超大作。生命の多様性という点から見れば、我々は絶滅という死神によって絶えず剪定されている樹木である。進化生物物学者たちが、いかに発見をし、いかに研究を進め、いかに学問を発展させてきたかがよく分かる一冊。2016/10/30