内容説明
神話はわれわれに何を語ろうとしているのか。神話が人間の精神に及ぼす見えない影響を明らかにし、全米に神話学ブームを巻き起こしたベストセラー。
目次
第1章 神話と現代の世界
第2章 内面への旅
第3章 最初のストーリーテラーたち
第4章 犠牲と至福
第5章 英雄の冒険
第6章 女神からの贈り物
第7章 愛と結婚の物語
第8章 永遠性の仮面
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
98
再読です。表題からして難しそうなのですが、対談なので非常に理解しやすく感じました。神話学の第一人者であるジョーゼフ・キャンベルがジャーナリストのビル・モイヤーズの鋭い質問に答えるという形をとっています。当然質問者もある程度の知識が必要です。神話とはいうものの、非常にわかりやすい例などを挙げていてドル紙幣に書かれたフリーメーソンのシンボルやスターウォーズのダースベイダーのフォースなどについても話題としています。2024/12/12
absinthe
90
今、スターウォーズのネタ元として注目されている。ジョージルーカスがキャンベル氏を自宅に招いて映画を見せた後、この映画はあなたのために作ったと言ったらしい。対話編なので、初心者にも分かりやすく比較神話学の基礎が解る。神話学者というのは、自分が神話を信じたり自分が神秘体験をしようとしてはならず、あくまで客観的にとらえなければならないという。実はテレビでドキュメンタリーを見て、書店で見つけて買ってみた。読んだのは大学生の頃だったが今でも心の友。
しーふぉ
20
神話学者とジャーナリストの対談。キャンベルは古今東西の神話に精通していて知の巨人の1人だと思う。語る言葉が哲学的でさえある。そして大学の頃の英語の教材がこの原文だったので懐かしかった。2024/04/06
noémi
20
なかなか難しい本だが、今後もたぶん何度でも再読するだろうと思う。人間は太古から現代にいたるまで、死ぬこと、たとえそれが植物であっても他の命を奪わずには生命を保持できないこと、また男女がいる限り性的な問題を避けては生きられないこと。この三つの宿命を背負っているので、心の中で抱く恐れや希望のイメージはほとんど変わらない。だから世界のどこにでもたいてい似たような神話があるということだった。神話は暗喩。人は宗教で人生の指針を決めようとするが、その前にもうちょっと深い精神世界を旅することも有意義ではないかと思えた。2016/09/26
Gotoran
20
【長文】かなりの間、読みたい状態であった。C.G.ユング、K.ウィルバー、C.アドリアンヌ繋がりで読む(図書館本)。本書は、生涯を神話に捧げた神話学者とジャーナリスト(インタビューアー)とのテレビでの対話の書籍版。ネイティブ・アメリカンの歴史に始まり、映画スターウォーズの英雄冒険的解釈、イエス・キリストと釈迦の比較による神話的共通項の解説、更にはキリスト教の歴史を辿りながら、処女降誕、聖杯伝説の洞察、しかも途中に小説家のトーマス・マン、ジェームス・ジョイス、哲学者ショウペンハウエルを↓2012/05/04