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内容説明
ぼくたちのミステリがここにある。博覧強記の俊英が、いまの海外ミステリと作家たちのたぐいまれな面白さについて、明快に分析し、語り尽くす独創のエッセイ集。
目次
夜明けの睡魔(女王位継承争い―アガサ・クリスティーの後継者たち;悶絶する名探偵について―コリン・デクスター『ウッドストック行最終バス』ほか;ジョン・ディクスン・カーが好き―ジョン・ディクスン・カー『血に飢えた悪鬼』ほか;モイーズ調書―パトリシア・モイーズの諸作;見え見えの人―アイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会』;笑いごとじゃない―ジョイス・ポーター〈ドーヴァー警部シリーズ〉;大人になったら、ハードボイルド―ロス・マクドナルド『さむけ』ほか;映画とミステリのあいだ―ニコラス・メイヤー『黒い蘭』ほか;恐怖王―スティーヴン・キング『呪われた町』ほか;フランス・アレルギーの弁―ボアロー、ナルスジャック『ひそむ罠』ほか;謎ときキングダム―ルース・レンテル『わが目の悪魔』ほか)
昨日の睡魔・名作巡礼(そんなに傑作ですか?―『Yの悲劇』;ほとんどSF的にクレージー―『僧正殺人事件』;史上に残る名犯人小説―『赤毛のレドメイン家』;誰がアクロイドを殺したって?―『アクロイド殺し』;南洋一郎は天才ではないだろうか―『813』;エドマンド・ビクリー博士の夢―『殺意』;ル・カレはえらい―『寒い国から帰ってきたスパイ』)
明日の睡魔(書物に凝る―ウィル・ハリス『殺人詩篇』ほか;エルモア・レナード―彼は何者でどこから来たか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はやしま
22
『殺人交叉点』の後書きで本書に触れられていたので手に取ってみた。前半「夜明けの睡魔」は1985年から2年半にわたる《ハヤカワ・ミステリマガジン》の連載。当時の英国の本格ミステリや他の作品を通じてミステリの変容や薀蓄が語られている。一押し作品の中には約30年経って殆ど見聞きしないものもあるが、それも含めて本書はある意味ミステリ史。気になったものを何冊か「読みたい本」に追加。後半の「昨日の睡魔/名作巡礼」は所謂”古典”をぶった斬りとはいかないまでもやや辛口の寸評。率直な書きっぷりが気持ち良かった。2016/06/28
サイトー
2
瀬戸川猛資氏によるミステリ評論・ブックガイド。5~6頁の短評にコラムと評論が織り交ぜられ真っ直ぐに作品と対峙している著者の性格が浮かぶ。読んでみるとアナグラムを用いて作者の名前を印象付けたり「前半名作」など造語を用いたり起承転結に切り分けたりとあの手この手の手管で古典ミステリを紹介していることがわかる。この切り口なしに現在のヒラリー・ウォー等の復刊がなかったことを踏まえれば、その影響の一端がうかがえるだろう。「ほとんどSF的にクレージー『僧正殺人事件』」「異次元の夢想──『爬虫類館の殺人』」が楽しかった。2023/02/24
慧
0
★★★2006/05/02
tarbow59
0
僕は以前書店に勤務していたのですが、時々瀬戸川さんが雑誌「BOOKMAN」を納品に来てましたね。取次を通さない直取引の版元さんの社長でした。ずいぶんと若くしてお亡くなりになり、本当に残念です。
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- 和書
- 守中高明詩集 現代詩文庫