内容説明
古いアメリカの地図では幹線道路は赤で、裏街道はブルーで示されていた。インディアンの血をひく著者がおんぼろヴァンに必要最小限の荷を積んで、カントリー・ロード2万キロを行く。アメリカ史の脚註のような断片的エピソード。地名についての故事来歴。人種の偏見をめぐる鋭い考察。無名の人々の生活と意見。そして自己の癒しの旅。〈もう一つの『路上』〉と絶賛された傑作。
目次
6 西北西
7 北北西
8 北北東
9 東北東
10 西へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
30
西部海岸から1804年の探検家のルートを逆に辿って東海岸へ。北部の森林、草原地帯で、南部とは打って変わって涼しさを感じた。ナポレオンの時代でもアメリカ北西部の大部分は西洋世界に知られていなかった。東部に戻るとよそよそしい人が増えるのは、関西から関東にいく流れと似ていて笑える。旅は1978年だそうだから、まだネイティブアメリカンの差別問題解決にやっと焦点があたった時期で、その時代も受けて書かれたのかなと思った。東部は独立戦争、米英戦争、南北戦争の古戦場が多く、白人コミュニティではその話が熱く伝承されている。2021/09/29