内容説明
全米のアイドルとなったシャーリー・テンプル、《アワァ・ギャング》の人気者デブのスパンキーに黒人のスタイミー、チャップリンの『キッド』のジャッキー・クーガン、少女時代のエリザベス・テイラー、ナタリー・ウッド…1930年代の不況時代を中心に、アメリカ映画界には数多くの子役スターが生まれた。1年に何10本もの作品に出演し、6歳にしてすでに大金持だった子役たち。しかし一見はなばなしい世界の裏には、子供にはあまりに過酷な現実があった。自らも100本以上の映画に出演し、名子役といわれた著者は、長いあいだ“失われた子供時間”の意味をとらえ直したいと思っていた。そして、30人を超す当時の子役仲間に連絡をとりインタビューして、それぞれの人生を語り合ったのだった。ここに語られているのは、ハリウッドの黄金時代をになった小さな星たちの、華やかで残酷な軌跡である。
目次
1 フェイド・イン
2 家族のなかで
3 「ライト!カメラ!アクション!」
4 「スパークル、シャーリー!」
5 大人になるな、病気はするな
6 学ぶ時、遊ぶ時
7 黒幕は大人だ
8 子役の見た“大物”たち
9 ギャラとその行方
10 セックスはまだ早い?
11 スターダムの後に来たもの
12 現実に生きる
13 フェイド・アウト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gen Kato
4
主に1920~30年代、ハリウッドで活躍した子役たちを訪ねる、かつての子役スター自身の「ローズバッド」(市民ケーン)めぐりの旅。作者の姿、ジェームズ・キャグニーのコメディで観たことがあります。親の欲と撮影所の非情さと、成長した途端に存在意義を失い、失業する彼らの味わう苦痛。読んでいて苦しい部分も多いけれど、名エッセイであり名ノンフィクションであると思います。個人的にはロディ・マクドウォールの飄々とした感じが印象的でした。あとディーン・ストックウェルにお下品発言のエロール・フリンw2017/05/10