内容説明
想像力を駆使して小さな空間を夏の庭園に、草原に変えてしまう舞台の魔術師。その演出の秘密を余すところなく描く!
目次
演出家とは
イヨネスコとの出会い
2人の詩人
サーカス『夏の夜の夢』
オータン・ララ夫妻
「芸術と行動」
ミュージカルの魅力
ストリップ・レヴュー
オフ・ブロードウェイとモントリオール万博
『夏』と『未来派』
『禿の女歌手』の分析
キャフェ・テアトルと『テリエ館』
詩の舞台化
『ボンソワール・オッフェンバック』と『ヴェロニック』
『演出家セミナー』のこと
『ル・シルク』と『夏の夜の夢』
小空間と想像力―尾崎宏次氏への手紙
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がっちゃん
2
演出。何をもって演出とするのか。これは難しい問題であったが、本書を通して一つわかったことがある。演出とは、俳優を右から左へ動かすだけではない。ということ。そこに何を見るか。見つけるか。必要なのは「想像力」だ。また、演りたいことが増えた。2017/04/23
ハンギ
0
戦前からフランス演劇をしていた、ニコラ バタイユが自らの半生を振り返りつつ、演出論が書いてある本。若いときは「王と鳥」で有名なジャック プレヴェールに見いだされる話は面白かった。演劇の師匠にベラレーヌがいて、彼女のシステムを普及させようとしたらしい。かいつまんで説明すると、対立する二つの考えがあって、それを調停したり、その原因を作ったりする登場人物を出して作劇することらしい。言わばノウハウのようなもの。僕の解釈では演劇は流れるように作劇した方がいいと思うけど、工夫次第なのかもしれない。2018/07/30