ボリス・ヴィアン全集 〈3〉 うたかたの日々 伊東守男

ボリス・ヴィアン全集 〈3〉 うたかたの日々 伊東守男

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152002532
  • NDC分類 953

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かりさ

52
薄玻璃のような繊細な痛みを、ユーモアをまとった美しき幻想のヴェールが包む。人を愛すれば愛するほど永遠なんてないと幸せを恐れ、当たり前の日々が尊いものだと思い知る。今だからこそより深く思考し浸透する世界。最愛の作品。物語はパリで暮らす裕福な若者たちの暮らしを、幻想的な出来事を織り込んで紡ぐ。その世界は色彩豊かで鮮やかで芸術のよう。その輝きが次第に沈み込み壊れていく様は痛々しく辛い。最後の最後まで秀逸で、ヴィアンの楽しさとその内に秘めた繊細な部分が綺麗に表現された美しくも哀しく悲痛な恋愛小説。2020/05/31

kurumi

2
う~~んとても好みな小説を読んでしまいました…。映画を観た時は?だった所が、文章として読んでみるとSFファンタジーとして、二人の愛の逢瀬を巡る、非常に完成度の高い作品だなと感心しました。肺に睡蓮が咲くという奇病というだけでもとても、心惹かれるのにな~ハッピーエンドじゃないのがまたいいですね。良い作品でした!2020/12/31

nai

2
1月26日開始〜同日読了。映画のクローズZEROを探している時にクロエを発見したのがきっかけ。肺を睡蓮に冒されたクロエとただただ彼女を愛し続けたコランの話。物語自体がこの世に存在しないけったいなものに満ちたものではあるけど、二人が出会い、結婚し束の間の幸せな生活を送っている間は色も香りもきれいだったのに対し、発病後はあの狭くなるアパート同様漂う空気の陰鬱さに読んでいるこちら側こそ肺に何かできたんじゃないかという位息苦しかった。けど、シックとアリーズに比べるとまだこの二人は幸せだったと思う。心臓抜きって怖い2011/01/26

okadaisuk8

1
シュールレアリスティックな描写を軽い感じで、それこそ著者が愛したジャズの即興のようにまき散らして描かれる「若さ」、「恋」の「死」。積ん読が長かったが、もっと若い時に読むべきだった! 2019/03/19

宮月中

1
有名な前書きに引きずられて、美しいことを探し求めるように読み進めた。「肺に睡蓮が成長する」という設定の時点でもう鮮烈で、絵に描けるわけではないのだけれど、美しい映像を伴っている。登場人物や要素は暗示的ではあるが、深く詮索せずとも何かしら感じるところは必ずある。そういう論理をすっ飛ばして直接感情に揺さぶりをかけるような小説には憧れるし、目指すところでもある。2017/05/25

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