出版社内容情報
自称無法者の少女ダッチェスが住む町に帰ってきた30年前の事件の加害者。彼の帰還は、ダッチェスを苛烈な運命へ巻き込んでいく。
【目次】
内容説明
カリフォルニア州の海沿いの町ケープ・ヘイヴン。三十年前にひとりの少女が命を落とした事件は、今なお当事者たちに暗い影を落としている。十三歳の少女ダッチェスは「無法者」の血筋を引くことを心の支えに、不安定な母親と幼い弟を守って生きていた。だが、事件の張本人ヴィンセントが刑期を務めあげて三十年ぶりに町に帰ってきたことから、新たな悲劇が一家を襲う―。読む者の胸を打つ、終わりから始める人々の物語。2023年本屋大賞翻訳小説部門第1位。
著者等紹介
ウィタカー,クリス[ウィタカー,クリス] [Whitaker,Chris]
ロンドン生まれの作家。フィナンシャル・トレーダーを経て、2016年に『消えた子供 トールオークスの秘密』で作家デビューし、翌年の英国推理作家協会賞最優秀新人賞を受賞。2021年には『われら闇より天を見る』(本書)で英国推理作家協会賞最優秀長篇賞を受賞する
鈴木恵[スズキメグミ]
早稲田大学第一文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Lara
52
不幸にも母親を殺された、娘、息子は、遠くモンタナ州で、祖父と暮らし始めた。無法者を名乗る姉ダッチェスは、弟ロビン以外、祖父とも、周囲ともに反発して、馴染めない。方や、捕らえられたヴィンセントの友人、ウォーカー警察署長は、彼の無実を信じて奔走する。さて、後半やいかに?2025/12/15
Shun
30
2023年本屋大賞の翻訳小説。主人公は恵まれない家庭環境の中で懸命に闘うように生き、自らを無法者と豪語する13歳の少女ダッチェス。本屋大賞らしく胸を打つ物語で既視感もあるが、やはりこういった未成年の健気な話に弱い。また話の導入部も申し分ない。数十年前に若気の至りの末に事故死した少女の事件が当時の友人たちの現在に影を落としており、それは近親者であるダッチェスの母親にとっては殊更なことあった。そして、事件の加害者として懲役に就いていたヴィンセントの刑期が終わり、彼が街に戻って来たことで新たな事件が起こる。2025/11/30
かみおか
5
「家族を守る」ことを言い訳にして感情を発露しているだけで、家族のために、特にロビンのために一つもなってないのでダッチェスにこの先感情移入できるか心配...。上巻終わっていまだに「よくやった!」って思えることがない...。『ザリガニの~』のカイアは素直に応援したくなったけどなぁ...。とは言え個人的にはウォークとヴィンセントの友情パートが結構好きで、割と楽しく読めてはいる。思った以上に暗くなく、描写も美しくて下巻に期待。2025/12/10
ふゆ
3
ザリガニの鳴くところを思い出すような苦しい物語。自分を守るため、他人を一切信用せず、ロビンだけを守ってきたダッチェス。彼女の心の鎧を剥がすのは容易ではないけど、ハルやドリーが根気よく見守ってくれているのが救い。下巻は明るい光を見れますように。2025/12/13
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- 和書
- 「深い河」をさぐる




