出版社内容情報
押し花を受け取った著名人が連続で殺される事件が起きた。捜査に挑むポーだったが、彼の同僚の病理学者が殺人容疑で逮捕され……
内容説明
生放送のトーク番組で、女性蔑視の持論を展開していた自称ジャーナリストの男性が突然倒れ、搬送先の病院で死亡した。男性は脅迫状を受け取っており、警察は殺人事件として捜査を開始する。そのころ、ポーの元に電話が入り、同僚のドイルが父親を銃で殺害した容疑で逮捕されたという。ポーはロンドンから500キロ離れたノーサンバーランド州にいるドイルの元へ向かうが…。“刑事ワシントン・ポー”シリーズ第5作。
著者等紹介
クレイヴン,M.W.[クレイヴン,M.W.] [Craven,M.W.]
イギリス・カンブリア州出身の作家。軍隊、保護観察官の職を経て2015年に作家デビュー。2018年に発表した『ストーンサークルの殺人』で、英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールド・ダガーを受賞した
東野さやか[ヒガシノサヤカ]
上智大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
412
作を重ねるごとに長くなって、ついに上下巻での刊行となったワシントン・ポーシリーズ五作目。本は分厚くなっているけれども、会話文が多くページの余白は多めでどんどン読みやすくなってきている。全く関連性のなさそうな二つの事件が同時進行で起こり、数時間かけて二拠点を行ったり来たりしているポーが滅茶苦茶大変そう。さらに今回は密室物ということではあるが、読んだ感じではトリッキーなものではなさそう。エステル・ドイルのパートとボタニストの事件が無関係なはずないとは思うけれど、よほど上手につなげてくれないと嘘くさくなりそう。2024/09/02
パトラッシュ
255
予告密室殺人事件は本格ミステリ界の最難関だが、ついにワシントン・ポーが挑むとなれば否応なく期待が高まる。ボタニストを名乗る殺人者が社会の嫌われ者を次々と毒殺していくが、ポーたち捜査陣は翻弄されるばかり。そこへ同僚のドイルが父殺しの容疑で逮捕される凶報が舞い込む。二件も重大事案を抱えたポーとティリーらは、邪魔する者は警察官僚でも蹴散らして犯人を説得までする大活躍を始めるのだ。冒頭の西表島での怪事件が、果たしてどうつながるのか。不可解な謎の連続に魅せられた読者は、ひたすらページを繰ることしかできない。(続く)2024/09/28
青乃108号
247
ワシントン・ポーのシリーズ5作目。前作辺りから段々長くなり、遂に上下巻の分冊物となった。今回は事件が二件、同時進行だ。①社会にとって害悪を成す者達に予告の書簡を送った後に「完全に遠隔で」(今の所そう思われる)その者達を殺していく「ボタニスト」と呼ばれる、謎の犯人。上巻で3人殺害。②ポーの友人、病理学者のエステル・ドイルが父親殺しの容疑で逮捕された。何者かの罠に違いない。①と②は今の所、完全に別件だが、ポーは①と②を同時に追う。上巻はまだ序盤といったところだが、下巻で①と②がどう結び付くのか興味は尽きない。2025/02/07
タツ フカガワ
166
生放送中の番組で女性差別主義者の男が突然倒れ、3日後に死亡。次に悪評高い下院儀委員が警察官警護のなか殺される。ともに脅迫状を受け取っていて、ともに毒殺。同じころ、ロンドンから遠く離れた場所でポーが関わった難事件でも活躍した女性病理学者のエステルが父親殺しで逮捕される。そうしたなかボタニスト(植物学者)と名乗る犯人から第三の殺害予告が入る。シリーズ5作目の本書はポーの相棒で分析官ブラッドショーの魅力が全開。それだけにクスッと笑いが漏れることたびたびで、いやあ面白い。即下巻へ。2024/09/12
道楽モン
161
待望のワシントン・ポー・シリーズの第5弾。すでに読了しておりますが、まずは上巻について。いきなり日本が登場して驚く間もなく、密室殺人が2件。で、テレビ放送中や厳重な警護下でも予告殺人って、ミステリとして極上のスタート。フリンが復帰して鉄壁のトリオも復活。彼らの会話だけでワクワクしちゃいましたよ。このシリーズは本当に面白い。まだ手を出していない方は、是非とも第1弾『ストーンサークルの殺人』から読んで欲しい。本作までハズレ無し。全作品が★5つレベルのミステリ・シリーズって奇跡的です。現時点では本作が最高傑作。2024/09/01
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