出版社内容情報
過去に手掛けた事件に冤罪疑惑が持ち上がり、刑事ポーは窮地に立たされるが……『ストーンサークルの殺人』に続くシリーズ第二作
内容説明
かつて刑事ポーによって一人の男が刑務所送りにされた―カリスマシェフとして名声を誇ったジャレド・キートン。彼は娘のエリザベスを殺した罪に問われたのだ。だが六年後のいま、その娘が生きて姿を現した!キートンは無実なのか?いらゆる証拠が冤罪を示し、窮地に立たされたポーを助けるべく、分析官のブラッドショーが立ち上がる。強烈な展開が読者を驚倒させる、英国ミステリ・シリーズの第二作。
著者等紹介
クレイヴン,M.W.[クレイヴン,M.W.] [Craven,M.W.]
イギリス・カンブリア州出身の作家。軍隊、保護観察官の職を経て2015年に作家デビュー。2018年に発表した『ストーンサークルの殺人』で、英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールド・ダガーを受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
505
ひたすら過去の事件の再捜査。その後、終盤まで、現在進行形の殺人は一切起きないという、普通であれば、シリーズ物の二作目として如何なものかと思う内容。しかし、異常にリーダビリティが高く、ひょっとすると、前作よりも楽しめたかもしれない。新事実を次々繰り出し、事件を転がす上手さと、ティリーをメインに、主要キャラの魅力をしっかり伝えきれた点がポイントだろう。反面、キートンの存在感が薄いことや、トリュフが血液から採取されたことと、後半でのトリュフ絡みの色々が、実は全くリンクしていない点などは、少し雑に感じた。2022/10/26
パトラッシュ
376
ワシントン・ポーは決して名探偵ではない。かといって地道に足で稼ぐ刑事でもなく、人を見る目の確かさと警察官としての正義感が武器だ。周囲も「彼がそう見るのなら」と信頼し、自然と捜査チームを作り事件解決へ突き進む。出世に無関心で政治的に動く連中に忖度しないため、まずい立場に追い込まれても誰もかばってくれない。冤罪をでっち上げたと疑われたポーが、優秀な頭脳のサイコパスと権力志向の上司を敵を抱えた窮地からどう脱するのか。薄皮が一枚ずつはがれるように残酷な真相が明らかになる過程を、読者は息をのんで見守るしかないのだ。2021/11/14
青乃108号
357
冒頭①全く状況が読めない、暗示的な場面数頁。冒頭②いきなり苦境に立たされている我らが主役ワシントン・ポー。やはり状況解らず、数頁。その後物語は始まる。最近この手の導入の仕方をする物語が多い気がするのだがさて何の本だったのかは良くわからない。ただの気のせいかも知れない。しかし、この本の様にかなりの頁数に渡る長編小説の場合、俺の様に途中で飽きてしまったり嫌になってしまったりする事はありがちであり、何とか物語に引き留める方法としては上手いやり方と言えるだろう。その証拠にほら、俺はこうして何とか読了出来たし。2023/01/29
stobe1904
305
【ポー&ティリーシリーズ】娘を殺害した容疑でポーが逮捕した服役囚の有名シェフの事件で、殺害された娘が6年ぶりに姿を現し、誤認逮捕を疑われたポーは窮地に追い込まれていく…。ゴールデン・ダガー賞を受賞した前作よりは全体的に小粒な感じはするが、崖っぷちに追い込まれていくポーと事件の真相を解明しようと奮闘するチームポーの面々と事件の不可解さに、読む手が止まらず引き込まれる。事件のからくりにちょっと無理があるような気がするが、この点を差し引いても、とても面白いミステリ作品だった。★★★★☆2022/06/29
ま~くん
271
自分の娘を殺した容疑でポー刑事に逮捕されていた著名なシェフ。娘の遺体は未だ発見されていない。だが逮捕から6年後、娘だと名乗る女性が保護された。DNA鑑定の結果、シェフの実の娘だと判明。最悪の冤罪事件を生み出してしまったポー。彼が保釈されるのも時間の問題となる。そんな時、シェフがある思惑を秘めポーとの面会を求めてきた。窮地に追い込まれても彼が真犯人という確信が崩れることはないポー。警察側にとっては圧倒的不利な状況でどう反転攻勢を仕掛けていくのかが最大の見所。物的証拠がない状況で自白に追い込むシーンは圧巻。2023/03/09