内容説明
元警視の死亡に関連して新たな殺人が発生し、サイラスは施設で暮らすイーヴィを訪ねることに。捜査資料に遺された児童連続殺害事件の被害者の名前にイーヴィは激しく反応し、その凄絶な過去を回想する。誰も知らない、ほんとうの話を―イーヴィの出自の秘密と数多くの殺人事件。隠された全貌をサイラスは暴くことができるのか。二作連続で英国推理作家協会賞受賞の快挙を達成した“サイラス&イーヴィ”シリーズ第二弾。
著者等紹介
ロボサム,マイケル[ロボサム,マイケル] [Robotham,Michael]
オーストラリアの作家。シドニーでジャーナリストとしてのキャリアを始め、ロンドンでライターとして記事を執筆。その後ゴーストライターとして著名人の自伝を著し、関わった複数の作品が全英ベストセラーとなった。オーストラリアに戻ると小説家として活動し、2004年に『容疑者』でデビュー。一躍人気作家となる。2014年に発表した『生か、死か』で英国推理作家協会賞ゴールド・ダガーを受賞。2019年には「サイラス&イーヴィ」シリーズ第1作の『天使と嘘』で再びゴールド・ダガーを、2020年発表の『天使の傷』でイアン・フレミング・スティール・ダガーを受賞した
越前敏弥[エチゼントシヤ]
1961年生、東京大学文学部国文科卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
87
初っ端の掴みから上手いんだよなあ。恐るべきリーダビリティ。登場人物たちも描写も文章もすごく好み。ああ、どうなるのとページを捲りまくる。ところが盛り上げるだけ盛り上げといて、は?となっちゃうのは前作と同じ。こんだけ好きがいっぱいなのにある意味すごい。後出しの多さと、予想を超えないというかそこにも届かない結末はミステリやスリラとしては致命的だと思う。サイラスもイーヴィも好きだからもうドラマでいいよ?2022/04/08
ナミのママ
65
読みやすさは変わらず。サイラスが関わる元警視死亡の事件はさらに被害者が出てイーヴィとの関わりが深まる。そのイーヴィの過去。上巻に引き続き明かされるが胸くそが悪くなった。複雑に絡んだ事件の謎解きはなかなか複雑で面白い。サイラスとイーヴィの結びつきも目が離せない。それだけに結末が…。う〜ん。 でも次作が出たらやっぱり飛びつくだろうな。2022/04/19
アオヤマ君
47
全体の謎も解けていき、大きな解決へと進め!サイラス。ノンストップの展開にドキドキハラハラでした。緊張と緩和の展開に、こちらも気になって気になっての一気読みでした。個人的にはイーヴィの逃避行、ボートの場面がいい。2024/01/22
M H
39
下巻に入ってイーヴィとサイラスの軌跡が交わり、核心が見え隠れしてスピードアップ。いや、ホントにすごいリーダビリティー。おぞましい過去も手を緩めず、ゲロを吐きながらジェットコースターに乗ってる気分。2人とも可哀想すぎる。スケールが大きい話のようで、まだまだ先が長そうなラストもしょうがないか。また文句を言いながら続編が出たら読みそう…良いキャラ揃いだし。2022/05/27
tom
33
この本、なかなかの優れもののミステリー。十分に楽しんで読む。イーヴィの独特さ、サイラスの誠実さ、二人の来歴が絡み合って、緊迫感が増していく。久しぶりに堪能したという読後感。それにしても、嘘を見分ける能力を持ってしまったら、人は生きていけるはずもない。このことをネタにしてミステリーを書いてしまうとは、ロボサムという作者、すごいなあと思う。ということで、未読の作品も借りてきた。楽しみだ。2022/05/05