出版社内容情報
演劇の才能に恵まれ、誰からも愛されていたはずの少女は、なぜ命を落としたのか。保安官が突き止めたあまりにも切ない真相とは?
内容説明
演技の才能に恵まれた人気者の少女ハティが廃屋で死体となって発見された。彼女はシェイクスピア劇の舞台を終えた後、何者かに殺害されたのだ。事件を追う保安官のデルは、捜査に訪れた高校で生徒から思いがけない言葉を耳にする。「ハティは呪い殺されたの」明るく振る舞っていたハティは他人にどう思われ、何を考えていたのか?そして彼女の人生の幕を引いた犯人は誰か?鮮烈な結末が深い余韻を残すミステリの逸品。
著者等紹介
メヒア,ミンディ[メヒア,ミンディ] [Mejia,Mindy]
ミネソタ州出身。2012年にThe Dragon Keeperで作家デビュー
坂本あおい[サカモトアオイ]
青山学院大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
145
第九回翻訳ミステリー大賞最終候補作5作のうちの一つ。ミステリ作品だが、しかし、思春期の若者たちが持て余すエネルギーや、殻を打ち破って抜け出そうとする彼らの葛藤や憂鬱が描かれている。アメリカの田舎の閉塞感。田舎と都会の間で軋む音が聞こえてくる。原題は『Everything you want me to be』 みんなの期待通りの自分を演じる女の子。私にはハティのようでいて欲しいと両親が思っていたのを思い出し、彼女の息詰まる感じに私も息苦しくなり、彼女にはやり遂げて欲しいと強く願いながら読んでいた。2018/05/13
こーた
135
期待された何かを演じる。それはときにラクでもあり、また苦しくもある。役の裏側にひそむ、ほんとうの自分。他者を演じることで、真実の自分が見えてくる。だが役に入りこみすぎれば、その何かに飲みこまれ、自身を見失ってしまうこともある。何もない退屈な街から抜けだしたい少女と、そこへやってこざるをえなかった教師と。みんな正直で不器用で、悪い人間はひとりも出てこない。なのになぜ、こんなにもやるせない気持ちにさせるのか。出会わなければよかったのか。いや、ほんとうの自分を知らずに生きつづけるほうが、ずっとずっとおそろしい。2018/03/10
Panzer Leader
59
ミネソタの田舎町で女優を目指していた女子高生が殺害される。その彼女の回想、彼女の高校の教師、捜査を担当する保安官の視点から物語が進んでいく。登場人物に悪い人間はおらず、どうしてこんな悲劇が起きてしまったのか。事件が解決しても誰一人幸せにならず苦い思いだけが残るけど読み応えのある逸品。2018/07/24
ゆのん
38
演技の才能に恵まれた18歳のハティ。都会で女優になる事を夢見てるが廃屋で遺体で発見される。保安官が捜査をする現在とハティ視点とピーター視点の過去との物語。「犯罪の影に女あり」とはまさにこの事と言いたくなる内容。少々単調な感じはあったが面白かった。たった18歳で演技でしか生きていけないハティが気の毒に思うが、自分の願いや欲しいものを手に入れる為に良心が痛むものの手段を選ばないところは悪女的であり、あまり同情できなかった。本当の被害者はハティではなく散々振り回された周囲の人々の様に思える。2017/09/19
ハスゴン
37
途中までは、穏やかなストーリーで地味だったが、物語が動き出すと結果はタイトルにあるような結果だが、現在と過去が入りかわりに描かれてホントの恐ろしさと男の愚かさが描かれる。2018/09/14
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