内容説明
自分を脅迫している人物を明らかにするため、ホフマンはグレーンス警部に警察への潜入捜査を依頼する。だが、その交換条件として17年前に起きた事件の容疑者を次次と殺していく犯人を探し出すことを命じられる。背中を預けあうことになった彼らに残された時間は、17年前の最後の容疑者である男を勾留できる“三日間”のみ。しかし、事件は予想もつかない展開へ―ラストの衝撃が胸に迫るシリーズ最高傑作。
著者等紹介
ルースルンド,アンデシュ[ルースルンド,アンデシュ] [Roslund,Anders]
スウェーデンの作家。1961年生まれ。ジャーナリストとしての活動を経て、作家ベリエ・ヘルストレムとの共著である『制裁』で2004年に推理作家デビュー。北欧ミステリの最高峰である「ガラスの鍵」賞を受賞した。『三秒間の死角』(2009年)で英国推理作家協会(CWA)賞を受賞したほか、日本では『熊と踊れ』(2014年、ステファン・トゥンベリとの共著)で『このミステリーがすごい!』「ミステリが読みたい!」などの年間ミステリランキング一位を獲得し、国際的に高い評価を得ている
井上舞[イノウエマイ]
英米文学翻訳者
下倉亮一[シタクラリョウイチ]
スウェーデン語翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
85
神はなぜ幾度となく彼に試練を与えたまうのか。崩れ落ちる者を抱きとめようとする彼の姿が見えるようだ。警察官たるもの、決して越えてはならないラインがある。それを作者が示してきた気がする。2024/01/05
ずっきん
75
願い通りにぶちかまされた挙げ句、ヘナヘナとへたりこむ。ああ、これが『グレーンス警部』なのか。『三秒』の衝撃を別にすればシリーズ最高傑作という惹句に異論無し。ホフマンを前面に押し出した(三)シリーズしか読んでいなかったので、失礼ながらグレーンスを物語に豊潤さをかもしだすスパイスの位置付けにしてしまってた。素材同士が互いを引き立てる、なんて極上の皿だろう。緊張の中で、グレーンス警部の嘆きが響き渡る。怒りというものは、愛情の深さに相対するものなのだな。デザートは要らない。舌に残る余韻の味を壊したくない。2022/06/22
GAKU
41
下巻は一気読み。ハラハラドキドキ感は、『三秒間の死角』に次ぐ、シリーズベスト2!2022/12/25
み
31
はぁ、三秒間に並ぶハラハラ感でした。このシリーズの初めの頃の空気のような、やり切れない感じも。ヒューゴー偉いぞ!彼が大人になるまで続くとイイなぁ、警部は80歳くらいになってしまうからナイな…。楽しみました。2022/06/27
icchiy
30
グレーンス警部とピートホフマンのシリーズの最高傑作と評される本作。 確かに揺るぎない面白さと意外な真犯人とやるせない結末。ルースンドさんの作風がこのシリーズの終盤から少しづつ変わってきており、より人間味と優しさを印象付ける逸話が盛り込まれてます。希望と優しさと救済がそこにあります。2024/04/02