内容説明
西アフリカ。現在は民間警備会社に所属している「その男」のもとに、グレーンス警部が来訪する。ストックホルムの奇怪な大量殺人事件の闇を暴くことは彼にしかできない。真相究明を託された男はまたも危険な組織の懐へと身を投じる。自らに課した使命を達成するまでの刻限は、たった三時間。その導線に今、火が点けられた!国際社会の難民問題に切りこみ、極限状況の駆け引きが真に迫る北欧ミステリ超大作。
著者等紹介
ルースルンド,アンデシュ[ルースルンド,アンデシュ] [Roslund,Anders]
スウェーデンの作家。1961年生まれ。ジャーナリストとしての活動を経て、作家ベリエ・ヘルストレムとの共著である『制裁』で2004年に推理作家デビュー。北欧ミステリの最高峰である「ガラスの鍵」賞を受賞した。『三秒間の死角』(2009年)で英国推理作家協会(CWA)賞を受賞したほか、日本では『熊と踊れ』(2014年、ステファン・トゥンベリとの共著)で『このミステリーがすごい!』、「ミステリが読みたい!」などの年間ミステリランキング一位を獲得し、国際的に高い評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
101
このまま、ピートとグレーンスでのコンビで進んでいくのかしら。冒頭の増える遺体の謎がずっと触れらていないぞと思っていたら、見事な収束だった。人間はしょせん人間でしかなく、ほかの大勢の人を意志を持って動かすなんて、思い上がりなのだなあ。2023/12/25
のぶ
90
上巻で病院の遺体安置所で見つかった不明の遺体。身元はアフリカにある事を突きとめたグレーンスだったが、そこで現地の潜入捜査官、ビート・ホフマンと連絡を取ったが、下巻に入り、二人の活躍で物語の全体像がやっと見えてきた。そこにあったのは国際社会の難民問題。闇の密航組織と接触を試みると、そこには悲惨な現実が分かってきたのだった。グレーンスとホフマンとキャラクターが際立っていて、軽いアクションもあり読んできて退屈するところはない。ただ、解説にシリーズの最高傑作と謳われていたが、そこまでの作品だとは思わなかった。2021/05/07
ずっきん
72
面白かったよ、グレーンス警部。単著となったからか、シリーズ本来の持ち味なのかはわからないけれど、前二作とはかなり作風が違う。エンタメ、人間ドラマにおもっきし寄せてきた。うん、こういうベッタベタも悪くない。『三秒間』のどえらい緊迫感は、シリーズになってる時点でもう無理なのはわかってる。でも、ホフマンが読みたいんですよ。グレーンス警部の良さもジワジワ沁みてきたし、大満足。2021/08/09
GAKU
55
過去の2作に比べるとストーリーの展開が粗く、全てが都合良く上手く行き過ぎている感が。 ちょっと残念でした。 2021/06/01
icchiy
32
アフリカからの難民密航ビジネスの奥深い闇に巻き込まれるグレーンス警部とホフマン。密航者たちを人間とも思っていない組織を壊滅に追い込むことに使命を燃やすグレーンス警部とホフマンの正義は打ち勝つことができるのか。案の定、勧善懲悪とはいかない裏側が用意されていてやるせない。ただし今回は警部の心にもほっこりとした希望の灯がともるのが気持ちの良いアクセントになっている。このシリーズ好きです。 2024/03/23