出版社内容情報
人の心を診つつも自身の心に闇をもつベリマン。彼女は誰かに監視されていると思い……
内容説明
「わたしはあなたを見ている」心理療法士のわたしは、不気味なメッセージを受け取った。それをきっかけに、家中の電気が突然切れたり、飼い猫が姿を消したり。誰かがわたしを監視しているのだろうか。そしてついに、家の近くで担当する患者が遺体で見つかる。わたしは警察に疑いをかけられたうえ、触れられたくない過去まで掘り起こされる―人の心を知り尽くした心理療法士が極限状態に追い込まれる迫真のサスペンス。
著者等紹介
グレーベ,カミラ[グレーベ,カミラ] [Grebe,Camilla]
スウェーデン、ストックホルム生まれ。実業家。2009年に『心理療法士ベリマンの孤独』でデビュー
トレフ,オーサ[トレフ,オーサ] [Tr¨aff,〓sa]
スウェーデン、ストックホルム生まれ。心理士として活躍するかたわら、2009年に『心理療法士ベリマンの孤独』でデビュー
茅律子[カヤリツコ]
東洋女子短期大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
58
じわじわと、真綿で首を絞められたような感じにさせられるミステリーだった。それはイコール主人公の心理療法士シリの感情でもある。シリが患者と臨床していると、ある時から周りで不審な事件が起き、患者が死体で見つかる。頼る人も相次いで死に、不安がシリを追い詰めていくのだが、一人称で語られる話は、読み手もその流れに乗らざるを得ず、何かミスリードされている感じ。真相は意外な方向に向かったが、読み手をも不安にさせる読み心地。サスペンスとしては上出来の作品。2016/06/26
ゆう
27
心理療法士のベリマンは自分自身も心の闇を抱えている。そんな中ベリマンの患者の1人が殺され、ベリマンの周りでも不穏な出来事が起こる。ベリマンのネガティブさと人の言葉をあまり聞かないっていうのはどうなの?って思ったけど、ページの多さを感じさないくらい読みやすいのに読みごたえもばっちり。がしかし、北欧ミステリーらしい陰鬱な雰囲気が常に続いていてスッキリ感はなく。夏から始まった出来事が気づけば冬になり、ベリマンが静かに、でも確実に追い詰められていくのがなんとも息苦しい。ベリマンが闇から解放されるといいけど。2016/05/15
ハスゴン
21
章立てが短く読みやすく心理系の仕事をしているので、あるあるでした。2016/05/28
siva
18
北欧サスペンス。夫を亡くし一人で暮らす女性のもとに不審な出来事が起きる。まわりからじわじわと追いつめられていく主人公。 北欧ものはやはり全体に作品に冬、日照時間が短い冷え冷えとしたイメージが流れている。夏のシーンもあるんだけど。心理療法士でありながら、自らも闇、トラウマを抱え、さらにそれを解決しようとしない主人公に違和感。生来どうも性格的に結構癖があるような描写が多いが、療法士として成立するのだろうか。他人の闇に引きずられてしまう気がするが。2016/07/24
むらさきめがね
16
思いのほか気の滅入る内容、その割にミステリー部分は安直だったかも。この本を読むと、カウンセラーと患者は紙一重なんて揶揄されるのも仕方ないと思ったり。 収穫は翻訳が良かったことでしょうか。2016/10/07
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