内容説明
二十四時間裁判に関わり、自らの魂をすり減らし、家庭をかえりみることができない―ニューヨークの弁護士エディー・フリンは、酒に溺れて妻から見放され、いま町をさまよい歩いていた。そんな時、ロシアン・マフィアが彼を脅迫する。要求をのまなければおまえの娘を殺害する。十歳の愛娘が拉致され、いま命の危険にさらされている。マフィアのボスは、自分に不利な証言者を殺害しろという難題を突きつけてくるが…。
著者等紹介
キャヴァナー,スティーヴ[キャヴァナー,スティーヴ] [Cavanagh,Steve]
北アイルランドのベルファスト生まれ。皿洗い、用心棒、警備員、コールセンターのオペレーターなどの仕事を経て、弁護士事務所で働く。2015年発表の『弁護士の血』がデビュー作となり、北アイルランドの優れた芸術作品を表彰するNorthern Ireland Arts Council’s ACES Awardを受賞
横山啓明[ヨコヤマヒロアキ]
1956年生、早稲田大学第一文学部演劇学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
203
2016年このミス海外第8位。 ロシアマフィアから娘を拐われた 弁護士フリンが戦う定番の法廷ミステリーだが 著者の経歴が色濃く反映され、安定した面白さ を感じる。 読みながら、アイルランド作家でありながら ひどくアメリカ的な既読感を感じるのは なぜなのだろうか。 読心術などの駆け引きは新鮮なのだが.. 映画的な展開・アクションがやや強引な気が する、そんな本だった。2016/01/24
ずっきん
92
ドン様が「俺を信じろ!」ってシリーズ5を絶賛してた、その1。最愛の娘をロシアン・マフィアに拐われ、爆弾を抱かされ、弁護を強要されるハメに陥ってしまう、元スリで詐欺師の弁護士、エディ・フリン。1ページからのブチ上げっぷりに吃驚する。最後までもつんかい!?と非常に不安である。その八方塞がり四面楚歌のまま、リーガル&クライムスリラが突っ走っていく。杞憂だった。最後の見せ場のなんと豪快なこと! なーんか既読感があるんだよなあって思ってたけど、他のレビューで腑に落ちた。弁護士版ダイハードだ。だー、続編読みたい。2020/09/18
goro@the_booby
70
まさにジェットコースター本でありました。1ページ目から最後までグイグイ読ませるねぇ。これは映画になるんじゃないのか。グリシャムの法廷物の面白さとアクションがあって落ちぶれた弁護士エディ―の再生物語でもある。分れた娘を人質に取られロシアンマフィアの為、弁護することになるが証人を殺すための道具とも利用され身動きが取れない絶体絶命の中、どうするエディ―!裁判官ハリーやイタリアンマフィアのジミーなど脇役もいい味出してますわ。2018/08/28
タツ フカガワ
65
エディー・フリンは少年のころ父親にスリと詐欺の技を鍛えられ、後にボクシング・ジムに通いストリートファイトでも頭角を現したという異色の経歴を持つ弁護士。そのエディーがある日ロシアン・マフィアに拉致される。ボスが殺人罪に問われる裁判で、有罪を決定づける証人を抹殺するため協力しろという。マフィアはエディーの10歳になる愛娘を人質にとっていた。読み進むほどにどんどんハラハラ感が増してくるリーガル・サスペンスで、法廷シーンも含めて、まさかこんなに面白いとは、という一冊でした。2025/01/01
のぶ
57
前半150ページあたりまで物語の方向性が見えず、あまり進まなかったが、弁護士の娘が誘拐された所から一気に動き出した。帯に、例えで「ダイ・ハード」が挙げられているが、確かにタフさはブルース・ウィリスかもしれないが、ストーリー的には「96時間」のリーアム・ニーソン。落ちぶれた弁護士は「評決」のポール・ニューマンかな?別に映画は見ていなくても関係ないです。面白く楽しませてくれる作品です。法廷にアクションを混ぜた所は、ちょっと異色で想像し辛いかもしれませんが、まぁ読んでみてください。2015/12/02