内容説明
雲ひとつない青空はぎらぎらと輝き、地面からはゆらゆらと熱気が立ちのぼる。道路の両側はどこまでも平坦な畑だ。そんなテキサスの片田舎にヒッチハイクで流れてきた青年トビーは、一人で農場を経営するグレースに雇われて住みこみで働きはじめる。広大な土地にたった二人、たがいに惹かれあうものを感じるが…乱入するガンマン、飛び交う銃弾、逃亡と追跡、裏切りまた裏切り。予測不可能、一気呵成、疾風怒涛の大傑作。
著者等紹介
リーズナー,ジェイムズ[リーズナー,ジェイムズ][Reasoner,James]
1980年に小規模に出版され、高く評価されたミステリ作品texas Windで知られている。その作家歴は25年にもおよび、ウェスタン小説や、独立戦争から第二次世界大戦までさまざまな戦争を題材にした歴史小説など、多数の作品を発表している。夫人はミステリ作家のL・J・ウォッシュバーン。テキサス在住
田村義進[タムラヨシノブ]
1950年生、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
38
スピード感とテンポがある。余計な感情描写を交えぬハードボイルド的文体で物語はどんどん進む。読者もトビーと共に、謎の女グレースに引っ張られてゆく感じ。次々と予想を裏切る展開で、最後はトビーまで読者を裏切る意外な結末。原題のdust devils(塵旋風)が吹き荒れるような読後感。荒涼としていて切ない。ハードボイルド兼ノワール兼ロードノヴェル。2010/03/03
鷺@みんさー
32
うう~ん😓 色々物足りない。読みながらずっと、お茶漬けみたいにサラサラ読めるのに、設定を考えれば私の好物のはずなのに、なんか楽しくないな~、ああそうか登場人物の誰一人にも感情移入できないし、なんか好きになれなくて、語り手含め全員に信用が置けないんだなとわかった。別にミステリでは共感や信用は必要ないんだけど、やっぱキャラを好きになって楽しく読める方がいいなと。悪人は悪人の美学を貫いて欲しい。そういう意味ではラリーが一番好ましいキャラだったかも。2025/02/24
harass
23
犯罪もの。ネタバレ防止で詳しくは書かない。途中はちょっとかったるく感じた。映画であれば映像的にいろいろ楽しめるのだろうが小説の限界なのか、それとも個人的にこういう小説に飽きているせいか。最初と最後のひねりがこの小説の最大の売りで確かに面白い。まああまり深く考えてはいけない。ノワールもの初心者や暇つぶしには良い本。題名はなるほどと納得。2014/10/20
けいちゃっぷ
13
思わずタイトル買いした本。 昔、年下にこのセリフを言われたことがあったな。 でも聞いてなかったんだが。 あれよあれよと、面白いくらい早いテンポで進む。 分厚くてテンポが遅い本にもうんざりだが、逆に早すぎるともっと書き込んでよと思ってしまうので、読者というのはワガママなものだ。 289ページ 2014/11/18
寿々喜節句
11
ジャケ買い。フォント、シルエット、色使い、タイトル名......カバーデザインが俺の中でどハマり。そして重要な内容は、アメリカ西部を走り回ったり、銃撃戦あり、強盗あり。短いながらも、激しい。つまり、スタイリッシュ。最後は悲しい終わり方。聞いてないとは言わせない。2013/12/02