内容説明
黒人探偵デレク・ストレンジは、死刑が濃厚な元暗黒街のボス、オリヴァーを救おうとしていた。デレクはかつてオリヴァーの父の死に関係し、罪の意識に苛まれていたからだ。オリヴァーを助けることができる重要証人の女の存在を知ったデレクだが、ストリート・ギャングもその女を尾け回していた。やがてデレクは、ギャングたちの血で血をあらう抗争に巻き込まれてゆく…街を支配する強大な暴力にデレクは独り立ち向かう。
著者等紹介
ペレケーノス,ジョージ・P.[ペレケーノス,ジョージP.][Pelecanos,George P.]
1957年ワシントン生まれ。皿洗い、バーテンダー、靴のセールスマンなど様々な職を経た後、『硝煙に消える』(1992)を執筆して作家デビューを果たす。その後『俺たちの日』(1996)が、1998年度『ミステリチャンネル闘うベストテン』の第1位に選出され、またファルコン賞を受賞するなどの高い評価を得た。2001年、黒人探偵デレク・ストレンジを主人公にしたシリーズの第1作『曇りなき正義』を発表。シリーズ第3作にあたる『魂よ眠れ』は、ロサンゼルス・タイムズ・ブック・アワードの最優秀賞を獲得した
横山啓明[ヨコヤマヒロアキ]
1956年生、早稲田大学第一文学部演劇学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Satoshi
6
黒人探偵デレク・ストレンジシリーズの3作目。ギャングのボスの死刑回避のために証言を集めているうちにギャングの抗争に巻き込まれる。ギャングの凶悪さよりも、貧困の中で暴力の世界に身を投じ、誰にも知られないまま死んでいく若者と信念のもと正義を貫く不器用な主人公を描いており、読後感も良い。傑作続きの本シリーズの中では印象が弱いが、傑作である第4作の「変わらぬ哀しみは」へパスする作品であると考えれば、納得できる。2017/10/04
himehikage
1
ペレケーノスは地元ワシントンDCの、ひいてはアメリカ社会の暗部を、探偵といえども等身大の主人公を通じて描き続けることが彼のライフワークであり、使命とすら思っていそうだ。その思いに共感。2007/12/10
kama
0
★★★★ 大筋は単純ながら人物は複雑(もしくは単純過ぎるのか?)で今ひとつ盛り上がらないが、これがリアリティか?2010/10/09