内容説明
クリスは恋人エミリーの殺害容疑をかけられ、拘置所に収容される。わが子は何不自由なく幸せに生きていると思っていたのに…二人の家族は、想像を絶する悲劇にもがき苦しみ、ある者は憎悪に身を任せ、ある者は現実から逃避する。仲が良かった二家族のあいだの亀裂が深まるなか、クリスの裁判が開幕する。弁護を依頼された敏腕弁護士マカフィーは、圧倒的に不利と思われる状況で、起死回生の戦略を練っていた。そして評決がくだされるその日、明かされたのは驚くべき真相だった―。『私の中のあなた』の名手が贈る、恋人たちとその家族の心をゆさぶる物語。
著者等紹介
ピコー,ジョディ[ピコー,ジョディ][Picoult,Jodi]
1966年ニューヨーク州生まれ。プリンストン大学の創作講座を修了したのち、出版社勤務などを経て、ハーヴァード大学大学院で教育学の修士号を取得。1992年に作家デビュー。社会的な問題と、人間の生き方や家族の絆というテーマをからめて繊細に描くことに定評がある。夫と三人の子どもとともにニューハンプシャー州在住
武藤崇恵[ムトウタカエ]
成蹊大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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J-sone61lineX
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毎回神経ボロボロにしてくれるジョディ・ピコー、またも期待を裏切らない作品。辛いのにやめられないし、またこの人の別の作品も読みたくなるんだけど読後はなかなか立ち直れない。もう日本語訳は全部読んじゃった。もう出ないかな又映画化でもされないとね。2016/06/02
ハッカ飴
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ジョディ・ピコーの作品は面白いですよね。でも、この作品は江ミリーの自殺の原因は結局なんなのかな?とわからずじまいでなんとなくイラッと。それでも根底には「銃社会」批判が感じられていいです。2010/07/16
livres
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どう考えたら良いんだろう?エミリーは、あの幼いときの事件から立ち直れなかったのか?それとも、やはりクリスと一緒に育ったことが原因か?母親の内向的な性格は遺伝するのだろうか?エミリーは、精神を病んでいたのだろう。それに巻き込まれたクリスが、1番の被害者だと思う。2010/07/12
sika_meter
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私が勝手にアメリカの宮部みゆきだと思っているジョディ・ピコーさんですが、今回も善悪ハッキリ決められない物凄く微妙な題材のお話。当事者の少年少女の両親をはじめ、登場人物たちの行動には納得できないことが多く、はっきりいって読みすすめるにつれイライラが募りまくったのだけど、読み終わってもずっとこのテーマについて考えてしまう。何が正解なのかわからな過ぎて。これはつまり、最初からそういう作品になるしかないお話なので、著者の思惑通りなんだろうな。2019/10/27
シュクル
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「二人だけの約束」下巻です。結論から言えば何故こういう二人の結末になったのか私もハッキリとは分かりませんでした。ただやはり十代の後半16・17歳くらいの時は世界は狭く感じ大切な何かを失うことは自分の全てを失うのと同じでその大切な物にしがみついていないとバラバラになりそうになっていた気がします…大人になり視野が広くなり喜びも悲しみも折り合いをつけて生きていくしかないんだと自然と思えるようになるには時間がかかります。その十代の気持ちを悲し過ぎるほどのタッチで書かれている本作は愛とは何かを訴えているようでした。2018/03/29