出版社内容情報
KAAT神奈川芸術劇場で12月に上演『常陸坊海尊』(白石加代子出演)、男女の情念を描く『近松心中物語』と『元禄港歌』を収録。
内容説明
東北の民間伝承を背景に、孤児となった少年の懴悔と救済の生涯を描く芸術祭賞受賞作『常陸坊海尊』。近松門左衛門の世話物三篇を脚色し、あてのない逃避行へと向かう男女二組の行く末を描いた『近松心中物語』。元禄時代、播州の港町で大店の人々と盲目の女芸人たちの運命が絡み合う『元禄港歌』。方言の豊かなうねりとリズムを駆使し、古典と現代を融合させた戦後を代表する劇作家の傑作三篇を収録。
著者等紹介
秋元松代[アキモトマツヨ]
劇作家。1911年、横浜生まれ。三好十郎主宰の戯曲研究会に入り、処女作『軽塵』(47年)をはじめ『芦の花』『礼服』などを著し、脚光を浴びる。その後『日々の敵』『婚期』が俳優座で上演され、注目される。ラジオドラマ『蝶の夢』(51年)を執筆し、この分野の先駆者的役割も果たした。初期作品は女性を主人公にした家庭ものであったが、60年の『村岡伊平治伝』(芸術祭奨励賞)頃から社会性を帯び、『常陸坊海尊』(64年/田村俊子賞)『かさぶた式部考』(68年/毎日芸術賞)『アディオス号の歌』(75年/紀伊國屋演劇賞)『七人みさき』(75年/読売文学賞)などを書き上げる。79年より蜷川幸雄とコンビを組んで『近松心中宇物語』(菊田一夫演劇賞)『元禄港歌』(80年)『南極恋物語』(82年)を上演。86年を最後に創作活動は絶ったが、以降も多くの作品が上演され続け、2001年4月『近松心中物語』が千回公演を迎えた同月24日、90歳で没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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