出版社内容情報
戦争の功罪を問う「みんな我が子」、あるイタリア系一族の悲劇を描く「橋からのながめ」。初期の傑作2篇を収録。解説/広田敦郎
アーサー・ミラー[ミラー アーサー]
倉橋 健[クラハシ タケシ]
内容説明
第二次大戦後のアメリカ。特需により事業を成功させたジョーと、息子の戦死を受け容れられないケイト夫婦のもとへ、一家の恐るべき秘密を知る人物が来訪し…(「みんな我が子」)。ブルックリンに暮らすエディは、不法移民の従兄弟ロドルフォを匿う。だが溺愛する姪とロドルフォが恋仲になると、エディは正気を失っていくのだった(「橋からのながめ」)。戦争や家族の問題を鋭く描いた傑作2篇を収録。
著者等紹介
ミラー,アーサー[ミラー,アーサー] [Miller,Arthur]
1915年ニューヨークに生まれる。ミシガン大学で演劇を学び、在学中からラジオ・ドラマの脚本を執筆。1944年「幸運な男」でブロードウェイ・デビュー。「セールスマンの死」(1949年)は、エリア・カザン演出で上演され、トニー賞、ピュリッツァー賞を受賞。1965~69年、国際ペンクラブ会長を務めた。私生活では女優のマリリン・モンローと結婚していたことでも知られる。2005年2月没
倉橋健[クラハシタケシ]
1919年生。早稲田大学文学部英文科卒、早稲田大学教授、演劇博物館館長を歴任、2000年5月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Bashlier
32
3/5 『橋からのながめ:古典毒親問題』義理の娘を偏愛し、いつまでも支配下に置こうとする父親を描きます。時の流れと周囲の人々が彼と娘を引き離そうとしますが、いかなる手段を使ってでも手元に置いておこうと意固地になるばかり。そんな養父の重すぎる愛情から逃げ出したい娘は、自由に手を伸ばそうと、ある選択をする。その小さな勇気が、歪んだ愛情を持つ父親の目には許しがたい大罪のように見え・・・。来週観劇予定。登場人物のキャラが際立っているため、役者さんがどう演技されるか。楽しみです!2023/09/12
こうすけ
18
人間が目を背けたくなる嫌な部分が、丁寧な設定と構成のもとにあぶり出される。セリフもいいし、展開もいいし。2024/05/28
りえこ
15
2作品とも、とても良かったです。心理描写が繊細で、芝居として、とても演じたくなる作品。日常から大きなドラマにつながっていく道筋が、とてもリアルに描かれていました。2017/06/30
qwer0987
11
どうもこの作家は悲劇がお好きらしい。二作とも異なるタイプのカタストロフィで苦しくなる。『みんな我が子』のケラーは貧しかった記憶もあってか、金を稼ぐことに躍起になり不良品を見逃して兵士を死なせるミスを犯す。現実に戦場に行った下の世代はそんな父の行為を許せない。そんな世代間の断絶とすれ違い、不正に対する対応の差など薄皮をはぐように露わになる様がスリリングで痛ましかった。『橋からのながめ』は家父長的な男の自縄自縛の悲劇。頑固さゆえの自業自得ではあるのだが、誰も幸せにならなかっただけに胸をえぐられた。2026/02/17
nightowl
3
みんな我が子:平和な日曜日の朝。一家の大黒柱はご近所さんと話をしている。同日息子の幼馴染でもある婚約者がやって来るが、何やら大黒柱が戦時中あることを行い彼女の父親に責任を擦り付けていたらしい…/穏やかな一家にじわじわ崩壊の影が忍び寄るのがとても辛い。利己主義はマイナス面で自分に後で返ってくることを痛感。橋からのながめ:親代わりに育てて来た姪っ子が不法就労者と付き合い出したのが気に入らないエディ。やがて事件が起きる。/シンプルな筋書きで解説にあるようにギリシャ悲劇風の作品。見せ場の詰まった無駄のない戯曲。2018/01/08
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