内容説明
考古学者の父を亡くして間もないアンは、ロンドンの地下鉄で奇怪な事件に遭遇する。男が何者かに驚いて転落死し、現場に居あわせた怪しげな医者が暗号めいたメモを残して行方をくらましたのだ。好奇心に駆られたアンは、謎を追って単身南アフリカ行きの客船に飛び乗った…ミステリの女王による波瀾万丈の冒険譚。
著者等紹介
クリスティー,アガサ[クリスティー,アガサ][Christie,Agatha]
1890年イギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。1920年に長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている
深町眞理子[フカマチマリコ]
1951年都立忍岡高校卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
80
考古学者の父を亡くしたばかりのアンが、偶然遭遇した事件の謎を追って南アフリカ行の船に単身乗り込んでしまうという、向こう見ずなお嬢さんのハラハラ冒険ミステリ。主人公が若くて美しい女性だと、殺人事件や彼女の行き当たりばったりの行動も、どこか明るく楽しげなものになるから不思議だ。アンが乗った「キルドナン・キャスル」号は、クリスティと夫が世界一周の旅に出たときに乗った船の名で、船の中での出来事のいくつかや、船から見える南アフリカの景色は、クリスティ自身が実際に体験したことだったという。2019/06/13
yumiha
53
『ひらいたトランプ』に登場した人物と再会するためにチョイス。本書では容貌も人柄も丁寧で、ポアロばかりに目が行ってしまった『ひらいたトランプ』を読み直さなくちゃと秘かに決意。さて本書は、ミステリというよりもアクション映画的冒険ロマンス。主人公のアンは、好奇心旺盛で活動的で一途で、何度も窮地に陥る。死にかけても懲りないタイプで、「それ罠だよ!」と読者をドキドキ&イライラさせるんですわ。陰の黒幕は途中で予想できたし。そんなアンを描いた表紙、イメージが違う気がして確かめたら、なんと!谷口ジローの装画…許そうか…。2022/04/15
優希
44
ノンシリーズもの。父親を亡くして間もないアンは奇怪な事件に遭遇します、暗号めいたメモを残して姿をくらました医師。謎を追いたくなるのも分かります。単身アフリカに行くアンの行動力が凄いと思いました。波乱万丈の冒険譚と言えますね。面白かったです。2023/12/29
megu
41
クリスティー長篇第四作、そしてノンシリーズ一作目。主人公アンが、ロンドンの地下鉄の駅で偶然遭遇した、死亡事件をきっかけに、国際的な犯罪の中に飛び込む冒険譚。もちろんミステリーが中心なのだけれど、ユーモアあり、ロマンスありでとても面白い。好奇心旺盛なアン、罠だとわかっているのに飛び込んでしまうので、“え、行くの?😲”や、“それ言っちゃう?😲”、“まじかい!”と読んでいてハラハラドキドキ。旅で出会ったシューザンも、愛すべきナイスキャラ。結末もとっても良かった(*´ω`*)2022/06/23
さら
36
ミステリーの女王クリスティーの冒険もの。正直、中盤まで惰性で読んでいました。登場人物を憶えるのが苦手な上、どうでもいいような話ばかりなので(笑)。でも、実はどうでもよいということはないのですけれどね。中盤から俄然、冒険ものらしくなってきて、面白かったです。主人公アンが向こう見ずな性格だから冒険ものとして成立するのですよね。 一番新しい版だからか、とても読み易かったです。2017/08/10
-
- 電子書籍
- 時森さんが無防備です!!【単話版】(1…
-
- 和書
- モノづくりのこころ