内容説明
『きょうの猫村さん』のほしよりこ作。
「豚だって豚なりにしっかり生きたはずだし」
泣くもよし、笑うもまたよし。ほしワールドをたっぷりと!
■主な登場人物■
『たろちゃん』:たろちゃん(四歳)、お父さん、お母さん、タケオ、おやっさん、アサヒ電気さん他
『僕とポーク』:イサオ、ブーちゃん(豚)、養豚場の主人、両親、哲夫、原田りえ(テニス風サークル)、佐倉夕子(同)他
『文豪の苦悩・・・・』:Vネック(小説家)、ジェリー(画家)、ちいママ、榊原雄山先生(芸術家)、トンちゃん(相撲部屋)、モンちゃん(同)他
『鳥』:鳥たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美登利
82
うーん、何とも言えない雰囲気のある漫画だわ。たろちゃん、4歳らしさもふんだんにある中、随分と年上のお兄ちゃんに憧れて両親にネットが欲しいとねだる。このまた両親もネットが今ひとつ何なのか分かってないところが、2007年発刊なのに?ってズレているのも面白い。表題作の僕とポークはシュールだなぁと思う。実際こんなイカしてる親父さんの養豚場は無いだろう、僕ものんびりしすぎだろう、ちょっと変わってる彼女も。でも、現実にあったらそれは良いなと思わせてくれるのであります。2017/03/03
吉田あや
73
ほしさんの短篇は完全に文学的芸術で凄い。パソコンを欲しがる4歳のたろちゃんの思考と、それを受ける大人の思考が交わるようですれ違う「たろちゃん」。想いはころりと変化して、なんとなく出来事は緩やかに閉じていく。いつの日か忘れてしまうなんでもない些細な日常の瞬間を素通りしないで!と抱きしめたくなるような、どこにでもある、自分にもあった、時間のひとこまが悶えるように愛おしい。「僕とポーク」も、成長する日々の中で育つ想い、後悔、忘れない事の作り込まないリアルさが遠い日に重なる。(⇒)2020/03/09
AKIKO-WILL
50
ほしよりこさんの出ている作品を読破したくて借りました。短編マンガで4作品が入ってました。たろちゃん、僕とポーク、文豪の苦悩、鳥!私は「僕とポーク」も良かったけど、たろちゃんがストーリー的には好きかな。たろちゃんというあだ名と見た目は男の子かと思いきや女の子だったとは!4歳でネット欲しがるたろちゃん可愛かったし、両親もステキだった。2016/04/01
鷺@みんさー
45
「逢沢りく」も良かったけど、こちらは猫村さんよりさらにシュールで、なんというか人生の酸いや甘いを噛み締める感じが出てて、良かった。ただ、猫村テイストを求める人にはおすすめしない。可愛さとかおかしみ、みたいなのは基本的になし。ガロっぽい感じ。2018/10/12
しゅわ
31
【図書館】「猫村さん」にハマったので、こちらの本も手にとってみました。いやぁ~シュールな短編集で圧倒されてしまいますね。「ネット」を欲しがる4歳児・たろちゃんと、それに翻弄される両親&周囲の人たちのお話。豚に残飯を食べさせて飢餓に苦しむ外国の子供を救おう!と立ち上がった僕が大学生になって…のお話、そして自称文豪&芸術家が集うスナック。何よりも一番衝撃的だったのが哲夫さんの集会の見開き記念写真でした。豚沌病死…もう…いろいろビックリ!?2013/10/28