出版社内容情報
殺し屋、売れない作家、軍人の妻、がんを告知された男ほかを乗せた飛行機が乱気流に遭遇。乗客は奇跡的に生還したかに見えたが。
内容説明
殺し屋、売れない作家、軍人の妻、癌を告知された男。彼らが乗り合わせたのは偶然か、誰かの選択か。エールフランス006便がニューヨークに向けて降下をはじめたとき、異常な乱気流に巻きこまれる。約三カ月後、ニューヨーク行きのエールフランス006便。そこには彼らがいた。誰一人欠けることなく、自らの行き先を知ることなく。巧みなストーリーテリングと、人生をめぐる洞察が国際的な称賛をうける長篇小説。
著者等紹介
ル・テリエ,エルヴェ[ルテリエ,エルヴェ] [Le Tellier,Herv´e]
1957年、パリ生まれ。小説家、ジャーナリスト、数学者、言語学者。1992年より、国際的な文学グループ“潜在的文学工房(ウリポ)”のメンバーとして、小説の新しい形式と構造を探求する作品を発表。2019年、4代目の会長に就任する。2020年、本書『異常』にてフランス文学最高峰のゴンクール賞を受賞し、同国内で110万部を突破。40言語で翻訳が決まっている
加藤かおり[カトウカオリ]
フランス語翻訳家。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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神太郎
43
気になってた単行本がepi文庫化ですか!?てっきりSFから出ると思っていたのですが。読んでみて「これ、SFって括りだけじゃ説明できない!」って位ジャンルが切り替わりますね。タイトル見るとホラーっぽい。でも、序盤、中盤、終盤とコロコロその作風が変わる。終盤はなんとドラマチックなことか!てかこういう切り口もあるんだなぁ、このジャンルでと唸ってしまった。序盤の長い助走を耐え抜けば面白くなるけどそこまでが長いのが人を選びそうな所。2025/01/13
にいたけ
39
フランスでベストセラー。斜線堂有紀さんが後書き書いてる。全く予備知識無しに読んだ。あらすじ書くのは差し控えるが例えれば、「宇宙人が攻めてきた🤔だけではなくAさんの家に宇宙人がやって来ました。Aさんはどうすべきですかねぇ🤔」「個別にやってくる宇宙人って何?何でうちに来るの?」自分事に考えると見えてくるものがある。その意味はどういうことなのか?意味付けすることは哲学的?なのか?自分が下した判断は正しかったのか?そういう事が怒涛のように描かれる。ミステリなのかSFなのかジャンル分け難しい。着地点わからんから☺️2024/12/22
Shun
30
フランス発の衝撃的大作が待望の文庫化。予想より早く文庫となって登場し興奮冷めやらぬまま一気に読了。あらすじにざっと目を通し読み進めていくが、プロローグの不可解な事態に薄気味悪さを抱えたまま第一部は各登場人物の状況描写に終始し”異常”とは何かがはっきりしない。ここまでなら退屈して本を置いてしまう読者もいるかもしれないが、「異常[アノマリー]」というタイトルの魔力に最後まで引き寄せられた。これは確かに分類し難い小説と言え脳を揺すぶられる快感があり、エピローグはタイポグラフィな工夫がありしばし呆然とする読後感。2024/12/11
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
28
印象が二転三転するSF小説。ホラーと書いてあるが、それほどホラーでは無く、ラストの方にぞっとする進行がある。ネタバレが怖いのであまり書けないが、とても面白かった。笑えるところもあってSF好きなら楽しい。2025/01/07
confusion_regret_temptation
25
もっとミステリーミステリーしてるのかと思ったが、違った。SFのような、哲学的なような?読み切るのにちょっと時間はかかりましたが、楽しませていただきました。でも再読は、ないかな…。2025/04/28