ハヤカワepi文庫<br> アインシュタインの夢

ハヤカワepi文庫
アインシュタインの夢

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  • サイズ 文庫判/ページ数 171p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151200175
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1905年、スイス。26歳のアインシュタインは特許庁に勤務しながら革命的な物理学理論に打ち込んでいた。それは彼の生涯でもっとも輝かしい年と言われるほど、重要な論文がつぎつぎと発表された1年だった。そして有名な特殊相対性理論の完成を目前にした若き技師は、夜ごと奇妙な夢に悩まされていた。時間がさまざまに変化した異世界の夢…現役物理学者がアインシュタインが見たかもしれない数々の夢を流麗に描く傑作。

著者等紹介

ライトマン,アラン[ライトマン,アラン][Lightman,Alan]
1974年カリフォルニア工科大学で理学博士号を取得。76年から89年までハーヴァード大学で物理学と文学を教え、スミソニアン天文物理学観測所の所員でもあった。そのかたわら新聞雑誌にエッセイを寄稿。対談集『オリジンズ―現代宇宙論学者たちの生活と世界』で1990年度全米出版協会賞を受賞した。現在はマサチューセッツ工科大学で人文学の教授の地位にあり、物理学の講義を受け持っている。ボストン在住

浅倉久志[アサクラヒサシ]
1930年生、1950年大阪外国語大学卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

神太郎

19
短いながらも「時間」というものに対する沢山の考えが披露されてて面白い。天才って言うのはおそらく「if」の世界をたくさん夢想できるのが、ひとつの能力なのかもしれない。それだけ演算能力が高いというか。短めながら、あっさり読めるのに「物理って面白いな」と文系に思わせる時点で良作!固い印象が、あったのですが、そこまで構えなくて良いのかもって思わせてくれるのって結構凄いこと!分かりやすくかみ砕いてくれた著者の手腕に感謝!2015/10/24

明石です

5
光速に近づくほどに時間の流れは遅くなる、という偉大な法則「相対性理論」を打ち立てたアインシュタインが、その相対性理論を完成させる直前の2ヶ月間、日夜、時間の探究に取り憑かれていたであろう彼が「見たかもしれない」さまざまな”時間”に関する夢を30篇のショート·ショートにまとめ、ひとつの物語に仕上げた異色のSF小説。著者自身がハーバードで物理学を教えていた生粋の科学者で、相対性理論にまつわる時間のトリックに「本物」が忍び込ませてあるところが心憎い。何より科学畑の人にあるまじきこの詩的なセンスには嫉妬しちゃう。2023/06/04

Sugi Takahiro

5
時間が様々な性質を持ったとしたら生活はどういったものになるだろうか? アインシュタインが夢の中で見そうな時間世界を繊細なタッチで描く。 もしも時間が… 地球の中心から離れるほど遅く流れる→富裕層は山の上に家を建てる 秩序を増大させる→部屋は勝手に整理され、岸に打ち寄せた波が引いた後は元通り、人々は秩序に飽きて物を壊し始める(祭り) 記憶が一日でリセットされる→地図とともに移動し、家族間で毎日自己紹介、「一生の帳簿」を見て自分を確認する人も要れば、これを破棄して記憶のない世界での生き方を身につける人もいる2016/01/04

belier

4
物理法則の違う世界をアインシュタインが夜ごと夢で見たという体の連作小品集。カルヴィーノの『見えない都市』を参考にしたのかと誰でも思うだろう。幻想的なお話ばかりだが、時間経過で秩序が増大する世界とか地球の中心から隔たると時間の流れが遅くなる世界とか、さすが作者は物理学者という作品がSF的。ちなみに、訳者はヴォネガット訳等で翻訳文学を変えたとされた翻訳者の一人。この前に読んだ邵丹氏がそう紹介し訳例がよかったので、積読本の中から発掘して読んだ。ヴォネガットとは文体が違うが、さすがの訳で端正な文章が心地よかった。2022/06/23

植岡藍

4
何回読んでも面白いですねえ。時間についての様々な考察。時間について考えることで結果的に生き方や人生を考えることにも繋がる。不思議世界の発想の源にもなるしとてもいい本だ。2018/08/16

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