内容説明
超高層ビルの最上階に軟禁された娘を救い出せ!天才的な泥棒ドートマンダーは、ひょんなことから厄介な仕事を引き受けるはめになった。ついでに貴重品を盗んでひと儲けしようと考えた彼は、それを餌に仲間を集め、厳重な警備を誇るビルに侵入する。が、ハプニングの連続で窮地に…熱烈なラブコールにこたえ、伝説の男が遂に復活。スリルと爆笑の痛快作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
65
いやー、面白かった。期待以上に楽しませてもらった。間というか、オフビートで笑わせる手管が最高に上手い。ずっとニヤニヤしっぱなしのハッピーな読書。どんなに追い詰められた場面でも、というかドートマンダーが窮地に立てば立つほど──笑える! 翻訳物を読んでいると、英米では小さい頃から、韻とか比喩とか、いわゆる洒落っ気を叩き込まれるんだろうなとつくづく思う。特にこういうジャンルは敵わないよなあと感じる。それを壊さぬように頑張って訳してくれる翻訳家さんにも感謝。はー、幸せ♪ 2019/04/29
Panzer Leader
31
[ドナルド・E・ウェストレイク誕生日読書会’16&第66回海外作品読書会]今回はハイテク警備システムで守られた超高層ビルを舞台に血も涙もない凶悪な傭兵がお相手。果たしてドートマンダー&Co.達に勝ち目はあるのかと書くとアクションものと勘違いしてしまうが、そうはならないのがウェストレイクの真骨頂。いつものドタバタぶりで思いっきり笑わせてくれます。序盤本書に登場しない仲間たちのおかしな近況報告もあり(アイコーさん可哀想)、ほんとにこのシリーズは楽しめる。2016/07/12
しゃお
22
〈ドートマンダー〉シリーズ再読キャンペーンも6作目。今回はいつも以上にギャグっぽい要素が強く、思わず声に出して笑う事しばしばだけど、これ以上ギャグテイストが強くならないさじ加減で抑えて欲しいかも(笑)。今回はドートマンダーが不運に合う回数も多めで面白いんだけど、やはりタイニーのいままで見た事のない姿が印象的。そしてシスターたち、J・C・テイラー、それにメイとった女性陣の強さも印象的です。ドタバタのあとの着地点も今回はキレイでしたね。なんだかんでみんなハッピーなエンディングで気持ち良かったかも^^2025/04/01
bapaksejahtera
17
ドートマンダーシリーズ第6作。幸い読みこぼしはない。ウィキによれば長編9作のうちあと2作しか残っていないのが残念な所。依頼されて泥棒に入った主人公は依頼主の情報ミスでビルから女子修道院に転げ落ちる。主人公は院から拉致された女性を助け出すよう修道女から依頼される。主人公の愉快な泥棒仲間に加え、娘の父である世界を支配する強欲な金持ち、テロリストなど理屈に合わぬ登場人物が活躍する怪作。解説によれば著者は悪党パーカー作執筆が行き詰るとこのシリーズに書き換えるそうで、さもありなんと思うほど筆の動きはスムーズである。2021/12/06
J・P・フリーマン
8
ここまでのシリーズの中では最高傑作ではないでしょうか。今回のターゲットは高層ビルの屋上に閉じ込められている修道女。仲間を集めて意気揚々と現場に乗り込みますが、例のごとく予想外のトラブルが。傭兵たちと同じ部屋にいるシーンは声出して笑えるほど面白いシーンです。2017/08/15